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ふるさと散歩道

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福井県鯖江市

■第354回 文化財編(31) 乱世の石仏が見守る人々の暮らし
文殊山を東に望み、西に原生林や萱野(かやの)が広がる鳥羽の地は、古くから交通・戦略上の要衝でした。南北朝内乱時には南朝方の鳥羽城が、戦国期には朝倉一族の城館が置かれたことで乱世に呑まれましたが、江戸時代になって北ノ庄藩主の結城秀康・松平忠直父子が「鳥羽野」を開拓し、まちは発展していきました。
さて、兜山古墳の頂に鎮座する八幡神社は、北陸道沿いの鳥羽4ヶ村(田所・島・中・鳥羽)の総社で、梶原美濃守政景が田所村地頭であった慶長13年(1608)頃に建立とされたと伝わります。境内に安置される観音菩薩立像2躯・不動明王三尊像1躯は室町時代に作られた笏谷石製の石仏で、旧北陸道の工事中に出土しました。また、春日神社(有定町)に安置される石仏群も室町時代後期の作ですが、水害が多発した当地では石橋として使用されたとも伝承されています。
戦国時代、救いを求める民衆の心を結んだ石仏は、数百年の時を経て、地に水に沈みながらも再び私たちの眼前に現れ、末永い幸せを祈ってくれています。
(文化課 藤田彩)

◇平成21年度指定の市指定文化財(1)
・春日神社の石仏(有定町2丁目)
・白山神社の制札(戸口町)
・八幡神社の石仏(神明町2丁目)
・白山神社の鰐口(戸口町)
・刀那神社の御正体(上戸口町)
・三峯寺(村)跡並びに出土遺物(上戸口町)

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