文字サイズ
自治体の皆さまへ

鯖江でがんばる あの人の笑顔と素顔 vol.12

44/45

福井県鯖江市

鯖江商工会議所青年部 会長 森ちさとさん(40)
大学生の息子2人の母。登山が趣味で、これまでに富士山や剣岳(富山県)などを踏破。ラーメン好きで、週に2回はお店に通うほど。合言葉は「やればできる」。

《若き力、束ねる笑顔》
若手の経営者たちでつくる鯖江商工会議所青年部(通称YEG、Young Entrepreneur(アントレプレナー) Group(若い経営者の集団))で今年度の会長を務める。女性会長は長い歴史の中で初だ。「職業の垣根を超えた心強いメンバーは仲間を超えた『心友』。心強い仲間たちと力を合わせて鯖江を盛り上げたい」
鯖江で生まれ育った。19歳で結婚して出産後、職を転々としていたある時、友人づてにネイリストという職業を知った。リラックス効果やモチベーションの向上にもつながる指先のおしゃれ。「私も手先の器用さには自信がある。自宅でのネイルサロンなら子育てとも何とか両立できるかもしれない」
化粧品関係の仕事をしていた母の影響のほか、幼い頃から美容に興味があったことも大きい。歩むべき道を見定めて通信制の学校に通い、スキルを磨いた後にネイルサロンを開いた。
仕事の丁寧さはもちろん、一番の売りは持ち前の明るさだ。「おしゃべりをしに来る感覚で皆さんが気軽にお店に来てくれましたね」。地域に密着し、お客はすぐに増えていった。
一方で、悩みも増えていった。仕事が忙しくなるにつれて難しくなる子育てとのバランス。別に仕事を持つ夫の理解。毎月のお金のやりくり――。離婚も経験し、めまぐるしい日々が続いた。
YEGの存在を知ったのはそんな時だ。同年代のメンバーたちが地域のイベントに出展し、子どもたちと楽しそうに笑っている。「地域密着にこんな形もあるんだ」。驚きとうらやましさが同時に沸き上がり、すぐに入会を決めた。
地域経済と企業の発展に向けて相互研鑽(けんさん)に励むYEGは、メンバー数100人を超える。定期的な勉強会や交流会のほか、まちづくり活動も担う。今春のつつじまつりでは大声コンテストなどのステージ企画で会場を盛り上げた。
地域づくりに熱心なだけではない。一人ひとりが経営に携わっているからこそ、分かりあえることがたくさんある。税金のことや金融機関とのやりとり、従業員との関係。悩みを打ち明け、アドバイスをもらう。頼り、頼られる日々を重ねるうち、経営者仲間はいつしか心のよりどころになった。そんなグループへの愛着心と前向きな人柄がにじみ出ていたからだろう。期待と親しみを込めて前任者に打診された。「次の会長は『ちー坊』しかいないでしょ」
今年はグループ設立から45周年。節目を迎える起業家集団の先頭に立ち、古里の未来を見据える。「職業の垣根を越えた輪のなかで、チャレンジする勇気をもらえたのはYEGだからこそ。この経験を受け継ぎ、それぞれの個性と力を磨き合えるグループづくりを目指したい」

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU