ワンヘルスの大切さを伝えたい
山門高校の「Oneヘルスクラブ」は、ニホンウナギの保護をきっかけとして、そのサンクチュアリ(保護区)づくり、そして持続可能な自然環境につなげる広葉樹の森「飯江川上流100年の森」づくりに取り組んでいます。
2月号では、飯江川上流の竹林を広葉樹の森にし、多様性のある豊かな里山を取り戻すための取り組みについてお伝えしました。
最終回となる今月は、その活動の成果を広め、次世代に引き継いでいく取り組みについてリポートします。
山門高校Oneヘルスクラブでは、ウナギの放流や河川山林の調査に加え、広葉樹の生育を阻害する竹の伐採などに汗を流しています。活動を通して生徒たちが気づいたのは、「人間の都合や経済事情のために、生物の多様性や自然本来の生命循環、里山の豊かさが損なわれた」ということ。また「100年の森」を掲げたからこそ感じた、ワンヘルスを次世代へと伝えていく大切さでした。クラブでは、活動報告の機会を捉え、生徒たちがデータに基づき実感を込めて伝えています。
昨年12月に行われた福岡県主催の「知事といきいきトーク」でも、パワーポイントを操作しながら、服部知事や松嶋市長をはじめ、商工業、農林漁業の代表者など、ワンヘルスに取り組む方々の前で活動の成果を発表し、意見交換を行いました。
「『生きものを支え生きものに支えられる幸せを共感できる社会を目指して』。福岡県生物多様性戦略にはこう書かれています。生態系の健全性は、家畜なども含めたすべての動物と人の健康にもつながっています。これがワンヘルスの理念です。このことが安全で豊かなみやま市づくりにつながっていくと思います」と、生徒たちはワンヘルスの大切さについて力を込めて語り、会場からは大きな拍手が送られました。
自然本来の力を取り戻し、それを次の世代へ引き継いでいくには、非常に長い時間を要します。10年先、100年先を見据えた人づくり、環境づくりを目指すワンヘルスの取り組みは、100年先の豊かなみやま市への礎なのです。
Oneヘルスクラブからワンヘルスの輪を広げたい。
Oneヘルスクラブは今後も、市内の様々な団体や人とつながりながら活動を進め、発信していくことにしています。
問合せ:企画振興課 ワンヘルス総合推進室
【電話】88-9754
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