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自治体の皆さまへ

12月4日から10日までは人権尊重週間

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福岡県久留米市 クリエイティブ・コモンズ

■差別に向き合い地域と学校が共に学ぶ
市内各校区では、地域の皆さんが取り組む人権啓発活動が行われています。久留米で、最初に校区人権啓発推進協議会(以下、「人権協」という)を組織した、大橋校区の柳瀬和彦さんと、同校区人権協の皆さんに話を聞きました。

◆偏見に苦しむ子との出会い
◇柳瀬さんに人権問題に取り組んだきっかけを聞きました
小学校の教員をしていた70年前、一人の子どもが「外国人の子だ」と周りの子からいじめられたことがありました。「外国人」という言葉を、差別するために使っていたのです。もちろん、国籍がどこであったとしてもいじめていい理由にはなりません。偏見で苦しんでいる子どもの姿を見て、この差別意識はなくさないといけないと強く思いました。
私が住んでいる大橋校区でも、さまざまな場面で差別がありました。校区に住む外国人に「よそもん」と言ったり、「女性は夫や子に尽くせ」という文化があったり。この間違った認識を見過ごしてはいけない、住民自らが学び、差別をなくしていかなければならないという思いを抱えていました。

◆市内初の人権協
平成6(1994)年に、久留米市に人権啓発推進員制度ができ、各地域で人権協を立ち上げる動きが高まっていました。大橋小がある屏水中校区では小学校同士の交流が盛ん。他校区にも広がるよう、平成9(1997)年に大橋校区人権協を立ち上げました。同年には屏水中校区全てに、今では市内全校区に設置されました。
私が地域で部落差別の話をすると「知らんもんまで知ってしまうじゃないか」と言われたことがあります。大人も子どもも正しく学ばないと、自分でも知らない間に差別することがあるんですよね。そこで、大橋校区では「わが町は、差別をなくす、住みよい、水と緑の里」をテーマに、地域と学校が一緒に考え、学ぶことを意識しました。今は差別や偏見に基づいた発言も減り、助け合う姿が増えたと思います。

◆思いを受け継ぎ地域で学ぶ
◇柳瀬さんの思いを受け継いだ大橋人権協の皆さんに聞きました
西村:柳瀬さんには、地域と学校が一緒に人権問題に取り組む土台を作っていただいたと感謝しています。定期的に、人権協や教師、PTAが集まり、気軽に楽しく啓発に取り組んでいます。推進員の任期満了後も「サポーター」として学び続ける人達がいるのは心強いですね。
久保:大橋小では、人権学習の授業を地域の人も参観しています。子どもたちの成長を見て「教育にはこんなに人権意識を育む力があるんだ」と驚かされます。
中村:5年生と人権協が一緒に「菊池恵楓園」に行ってハンセン病について学んだこともあります。子どもたちが得た気づきを、校区に住む大人に発表し、地域と学校が共に学び続けています。

◆自分が被災し気づいたこと
西村:7月の大雨では、自宅が床上浸水し、多くの人が片付けに来てくれて助かりました。これまで、さまざまな啓発活動をしてきたので、困っている人の気持ちを分かっているつもりでした。実際に助けてもらう側になり、本当に相手が求めていることに自分は寄り添えていたのかと問い直す機会になりました。このような気づきを皆さんと共有したいですね。

◆共に学び人権意識を新たに
西村:人権は、社会の根底にある必要なものです。差別を生むのも、なくすのも人間。人権が守られてこそ生活が成り立ちます。そのためには、家庭や学校、地域が交わり、継続して学ぶことが大切です。日頃からさまざまな人と触れ合ったり、校区で開催される「人権フェスタ」や人権講演会などに参加し、皆で学び続けていきましょう。

◎12月に開催される人権啓発の講演会や作品展示の情報はこちらから
※QRコードは本紙P.7をご覧ください。

問い合わせ先:人権啓発センター
【電話】0942-30-7500
【FAX】0942-30-7501

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