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自治体の皆さまへ

シリーズ 今、気づき、じんけん 共に生きる【35】

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福岡県久留米市 クリエイティブ・コモンズ

■若者の価値観にチャンネルを合わせる
久留米市は、若者のための相談窓口「みらくる」を開設しています。孤独感や将来への不安など寄せられる内容はさまざま。みらくるの相談業務のアドバイザーであるNPO法人「スチューデント・サポート・フェイス」の谷口仁史さんに聞きました。

◇家庭に関わってこそ見える真実
私はNPOの代表として、家庭や学校に居場所がない子どもや、社会で孤立している若者を支援しています。大学生の時に訪問型の学習ボランティアを始め、卒業後の平成15(2003)年に現団体を設立。「どんな境遇の子ども・若者も見捨てない」を理念に、これまで68万件以上の相談に応じてきました。
私が勉強を教えていたある高校生は、温かい家庭に恵まれているように見えたのに、学校で暴れる傾向がありました。何度も家を訪れるうちに、勉強に集中できない環境があることが見えてきました。実は、親から日常的に暴力を受けていたのです。本人への関わり方について親と話し合うと、次第に生活が落ち着き、学力も向上してきました。家庭に関わってこそ見える真実があると痛感しました。

◇「甘え」と決めつけることが孤立を生む
登校しない人やひきこもっている人に、本人の「甘え」「怠け」だとする考えがまだあります。自分の価値観をもとに、善かれと思った助言が、かえって本人や家族を孤立させ、社会から排除することも。本当は、親の病気や家庭内暴力、交友トラブルなど本人だけでは解決できないことが、ひきこもりの要因になっていることがあります。それを聞き取るには、「この人だったら分かってくれるかもしれない」と思ってもらえるよう、本人の価値観を尊重しながら声を掛ける。つまり、チャンネルを合わせることが大切です。彼らがどんな事でつまずき、何に興味関心があるのかを知ることで少しずつ距離が縮まります。

◇背景を想像することから
若者に関わろうとすると、最初は拒絶されることがあります。でも、その背景には何か理由があるかもしれないと想像すると、声の掛け方が違ってきますよね。支えられ、人への信頼を取り戻した若者たちは、支える側になっていきます。つながりが循環する社会を未来に残していきたいですね。

《谷口仁史さん》
佐賀を拠点に相談支援を行う認定NPO法人スチューデント・サポート・フェイスの代表理事。各種相談事業を受託し、多職種で子ども・若者を支援する

問い合わせ先:青少年育成課
【電話】0942-35-3806
【FAX】0942-34-9001

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