監査委員は、令和5年度の久留米市の一般会計・特別会計、公営企業会計の決算審査と、財政健全化法に基づく健全化判断比率や資金不足比率の審査を行いました
■決算審査の結果
各会計の決算の計数が正確か、会計処理や予算執行が適正かなどについて審査しました。主な意見は次のとおりです。
◆一般会計・特別会計
◇経常収支比率は、臨時財政対策債の減少で前年度に比べ悪化。地方公共団体の財源の豊かさを示す財政力指数も前年度と同値で厳しい状況。人口減少などによる歳入の減少や高齢化などによる扶助費の増加、物価上昇への対応など市を取り巻く環境は厳しさが増す中で、多くの施設が老朽化し、財政負担の増大も見込まれる。公共施設の削減や将来を見据えた事業の厳選・重点化など行財政改革を推進し、安定的かつ持続的な財政運営に努めること
◇歳入事務の理解・確認不足により、使用料等の日割計算の誤りや、誤った金額で調定しているものがあった
◇部局間の連携不足で、適正とはいえない債権処理があった。以前の決算審査でも、債権管理や回収方法について、歳入確保や負担の公平性の確保、専門部署の設置を求めていたが、具体的な進展が見られない。他自治体では、債権管理条例を制定して統一的な基準を設けているところも多い。適正な債権管理のために、早急に検討を進めること
◆公営企業会計
◇適法な手続きを踏まない事務が一部見られた。研修の充実や内部統制の強化などにより、再発防止に努めること
◇水道事業は、料金収入を確保し、経営安定に繋げるためにも、使用率の向上は不可欠。将来の需要を見極めつつ、持続可能な投資計画等を立案し、経営基盤を強化すること
◇下水道事業は、利用者への説明責任を果たすためにも雨水処理に要する公費負担額を適切に算定し、一般会計からの繰入金を計上すること。内部留保資金などには余裕がなく、さらなる経営改善などが必要。特に公共下水道の接続率が低い地区への早期接続の促進など、投資を収益に結びつけるよう努力すること
■財政健全化法に基づく審査結果
財政健全化判断比率と資金不足比率の算定が適正かなどを審査しました。
◆おおむね適正に算定されていたが、算定の基礎書類に一部不備があった。財政健全化判断比率の指標では、市の財政は「健全段階」にあり、資金不足は生じていない。引き続き、財政及び経営の健全性確保に努めること
◎監査や審査の結果は、本庁舎地下1階行政資料コーナーや市ホームページで公開しています
問い合わせ先:監査委員事務局
【電話】0942-30-9232
【FAX】0942-30-9718
<この記事についてアンケートにご協力ください。>