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自治体の皆さまへ

なぜなぜ人権ーかけがえのない命が輝くまちづくりをめざして–

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福岡県八女市

■誰もが大切にされる社会をめざして
8月にべんがら村で第一回人権セミナー2024、太田宏介さんのアート展と「きょうだいの絆~障がいをもつ弟と共に歩む~」と題して画家である弟のプロデュースをする太田信介さんの講演会を開催しました。

≪講演の内容≫
▽自閉症の弟の存在
弟である宏介は2歳の時に知的障がいを伴う重度の自閉症と診断されました。イライラすると奇声を上げたり家の壁を叩いたりし、近所に迷惑をかけることもあり、同級生から「お前の弟どうにかならないのか?」と、心ないことを言われることがありました。「自分がしっかりしないと」という使命感のようなものを感じましたが、思春期になると弟と距離をとるようになり、周りの友人たちや就職した会社にも20数年隠して生きてきました。人にどう思われるかと不安で、障がいがある弟のことをカミングアウトできませんでした。

▽弟の生き方に学ぶ
弟は10歳の時から造形教室に通い紙粘土で遊んだり、出来た作品に色をつけることで色の変化に興味をもち、絵を描き始めました。弟の作品は自由と感動を与えてくれます。邪気がなく好きなことを自由に表現できて色彩感覚の素晴らしさも感じます。
弟が作業所に通所しながら絵を描き、社会の中で堂々と生きている姿を見て、私は仕事や人間関係などで上手くいかないときに、障がいのある弟のせいにしている自分に気が付きました。

▽脱サラ・起業
37歳で、弟と二人で絵画販売や絵画レンタルなどの事業を始めました。弟も絵を描くのが仕事だと自覚していて、個展に来ていただいたお客様から絵をほめていただいたり購入していただくことで自信を持ち、さらに創作意欲が高まっています。
起業して大変なこともありますが、弟の作品の可能性を信じてお互いできないことを補いながら一緒にやっています。弟の絵を後世に残したいと思っています。

▽福岡きょうだい会
兄弟姉妹に障がい者がいる人たちを中心とした団体です。きょうだいの抱える課題や悩みは、私が大学生のころ悩んでいたことと変わっていません。
一般的なきょうだいの悩み
・親がいなくなったときのこと
・恋人にきょうだいのことを言うべきか
・結婚はできるのか など
悩みや経験をみなさんに話すことで、少しずつでもきょうだいが生きやすい環境になったり、悩みが軽減できればいいと思いきょうだいの活動を始めました。自分ひとりですべてを抱えるのではなく、きょうだいでしか理解できない想いがあるので「何かあったら言ってね」と思って活動しています。

障がい者の兄弟に生まれたからこそ抱える悩みや不安や葛藤など当事者の話を通して「きょうだい」の持つ生きづらさを知ることができました。
障がいのあるなしにかかわらず、弟である宏介さんの豊かな感性、邪気のない心から描きだされた自由な構図と色彩により描かれた絵画は、私たちの心に響くものがありました。障がいのある人もない人も、人として当たり前の権利が認められ、尊厳をもって生きることができる社会を目指していきましょう。

■12月はさまざまな人権啓発週間が定められています。身近な人権について一緒に考えてみましょう。
▽人権週間 12月4日~10日
人権週間は昭和23(1948)年12月10日、国際連合で「世界人権宣言」が採択されたのを記念して定められました。
日本では12月10日を最終日とする一週間を「人権週間」と定め、全国的に人権啓発活動をしています。

▽障害者週間 12月3日~9日
令和6(2024)年4月、改正・障害者差別解消法が施行され、障がいのある人に対する合理的配慮が民間事業主にも義務付けられました。障がいのある人が社会生活していくうえでバリア(障壁)と感じていることをその状況に応じて取り除くことが求められています。

▽北朝鮮人権侵害問題啓発週間 12月10日~16日
平成18(2006)年に施行された「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」により制定されました。日本人拉致問題は早急な解決が望まれる国民的課題であり、風化させないことが大切です。また、朝鮮半島に住む一般市民や、日本で生活する朝鮮半島につながりがある人々に差別・偏見が生じないよう十分配慮しましょう。

問い合わせ:人権・同和政策・男女共同参画推進課
【電話】23-1490

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