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自治体の皆さまへ

特集 無意識の思い込みを変えていく(2)

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福岡県北九州市

企業・地域・学校では「男らしさ」「女らしさ」の境界線を取り払い、 個人の生き方や可能性を広げる取り組み、考え方が広がっています

■誰もが幸せを感じながら働ける職場に
株式会社タカギ
総務人事部長 岡村大輔さん
人事課 担当課長 松田理恵さん

男性社会中心の意識を変えていくという社会の流れの中で、2020年に社内で公募したメンバーからなる「ダイバーシティ推進プロジェクト」を立ち上げました。メンバーのアイデアから生まれた、最長20日間の育児休暇を有給で取得できる「育トレ制度」もその一つ。男性社員が当たり前に育休を取得できるよう、制度整備や社内の雰囲気づくりなど努力を重ねた結果、男性の育休取得率は3年間で3%から92%に増えました。仕事だけでなく育児もしっかりしたいという男性社員の声に応えられたと感じています。そうすると、一人一人の幸せ度合いも増し、それが会社への愛着につながってくる。価値観が多様化しているので、社員からも、学生からも、お客さまからも、社会からも選ばれる会社になっていかないと、この先「選ばれない会社」になってしまう。「この会社に勤めてよかった」と思う社員が一人でも多くなることが、会社にとって一番いいのではないかと思います。会社として「人を大切にする」という考えがベースにあります。「みんなが楽しく働ける職場をつくる」という意識が社内全体に浸透しています。人は最大の財産。それは今後も大事にしていきたい。個人の価値観を尊重しつつ、これからは社員一人一人「自分で会社をどう変えていくか」という意識を持って取り組んでいくことが大切だと考えています。

■できるところから着実に、「男女のねじれ解消」を
北九州市女性団体連絡会議 会長 沼田文子さん
子どもの頃は「男は仕事、女は家」そういうものだと思っていました。女性が意見すると「なん言いよるか」と対等に相手にしてもらえなかったり・・・。今、地域のまちづくり協議会でも活動していますが、以前と違って話し合いの段階から男性も女性もみんなが一緒になっていろいろと企画したりしていますね。女性団体連絡会議の啓発活動でも、防災や健康など身近なテーマで男女共同参画の必要性を取り上げています。こうした取り組みを重ねて、社会に前向きな変化が広がってほしいと思います。本来、平等であるべき男女が不自然にねじれた状態はまだあると思います。この「ねじれ」を早く解消し、誰もが自然にお互いを認め合える、それぞれの思いや魅力を発揮できる社会の実現を願っています。

■自分なりに考えて、いろんな人に学びたい
北九州市立大学4年 有永優香さん
家庭内での家族の役割分担を考える授業があって、母の家事分担が大きいなと感じたりして、日常生活での男女の役割について自分なりの気づきはありました。ジェンダーについてきちんと学んだのは大学の授業がきっかけです。そこで多くの考え方に触れ、さまざまな視点を発見することができました。若い人の間では、男女の役割に対する意識も変化しています。ただ、その変化については「昔はそうではなかった」と時代の背景を自分なりに考えることも大事だと感じています。今は、「人それぞれの考え方がある」ということをもっと知りたいですね。そして、社会に出たときは、男であろうが女であろうが、その人が生きやすいように生きられる社会になっていたらいいなと思っています。

■意識を変えていこう
自分の価値観だけで物事を決めつけたり、考え方を押しつけたりしていませんか?「これってジェンダー平等じゃないよね?」そう感じたら・・・。市の施設や事業を活用して誰もが自分らしく活躍できる社会を作っていきませんか。

◆男女共同参画センター「ムーブ」
ムーブは、男女共同参画やジェンダー平等への理解を深め、そのための取り組みを支援する施設です。女性のキャリア形成を応援するプログラムや男性のための家事・育児・介護の講座などを実施しています。また、健康のための「フィットネスルーム」や男女共同参画に関する図書をはじめ、児童書や雑誌などを幅広くそろえた「図書・情報室」もあり、あらゆる性別・年代の人が利用できます。

▽ムーブの相談事業
・こころと生き方の一般相談
人づきあい、夫婦、子どもとの関係などさまざまな心の悩みに相談員が応じます。相談は【電話】093-583-3331。毎週火~日曜日(祝・休日は除く)の9時30分~17時

・男性のための電話相談=家庭や仕事のことなどに男性相談員が応じます。相談は【電話】093-280-5325。毎月第1・3土曜日の10~12時、第2・4水曜日の18~20時(祝・休日は除く)。
対象:男性

▽共通の内容
相談無料

▽施設情報
所在地:小倉北区大手町11-4、【電話】093-583-3939
開所時間:9時30分~21時30分
休所日:おおむね毎月最終木曜日と年4回の第2木曜日、 祝・休日、年末年始(フィットネスルーム、図書・情報室は問い合わせを)

男女共同参画センター「ムーブ」はコチラから
【HP】https://kitakyu-move.jp/

◆企業へ専門職を派遣します
「男性社員の育休取得促進に向けた研修をやりたい」「会社で旧姓使用できる制度をつくりたい」などのジェンダー平等に向けた取り組みを支援するため、専門職を企業へ派遣しています(原則、無料)。詳しくは、女性の輝く社会推進室 【電話】093-582-2209へ問い合わせを。

この特集に関するお問い合わせ:総務局女性の輝く社会推進室
【電話】093-582-2209

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