ヤノベケンジ《GRAND SEED NEW ”ORGA”》
1993年(1994年改変) 鉄、モーター、エンジンほか
サブカルチャー文化を想起させるような形態と、実機能を備えた大型機械彫刻作品で知られるヤノベケンジ。本作もまた高さ3m以上もある大きな作品で、「直立型自己埋没装置」として制作されました。起動すると内部の空気が膨らみ、搭乗者は圧縮され、さらにエンジン駆動によって上下に激しく揺さぶられながら大地と共鳴するという想定のユーモラスな作品です。
ノストラダムスの大予言など終末思想がささやかれ始めた1990年代。ヤノベは、不穏な世紀末に備え、自分の身を守るための「サヴァイヴァル」装置をテーマに作品を作り続けます。イマジネーションあふれる作品を次々と展開し、実現していくヤノベケンジ。まるでアニメやSFの世界から飛び出してきたかのような作品からは、さまざまなイメージやストーリーが感じられるのではないでしょうか。
*8月25日(日)まで「コレクション展I」に展示
学芸員 清田幸枝
市の担当課:美術館
【電話】093-882-7777
<この記事についてアンケートにご協力ください。>