点描 編集後記

26／27

2歳位の男の子が、父親に抱っこされジュースのボタンを押した。なみなみと注がれた黄色い炭酸を見てイヤイヤをする子ども。「違うの!?」そう言って父親はグラスの中身をシンクに捨てた。子どもはすぐに別のボタンを押した。しかし一口舐めるとまた首を横に。父親は2杯目も迷わず流した。3杯目、4杯目も捨てついに子どもはぐずり始めた。私たちの席はドリンクバーの真向かい。気分は悪いのに目が離せない。ようやく登場した母親は「まだ決まらないの!?」と一瞥。席から持ってきた飲みかけを勢いよく捨て、別のものを注いでさっさと戻っていった。
子どもの前で5杯もの飲み物を躊躇なく捨てた親。大切な何かが一緒に流れていなければよいが。
腹立ちは遣り場なく、目の前の息子に「将来あんな親になっちゃだめだよ!」と言うと「親を見て育つから、ああはならないよ」としれっと機嫌を取ってくれた。ファミレスで怒ったりニヤッとしたり。
(友杉)