◆「挑戦」その先の頂へ
藤崎 公明さん
(福岡東労働基準協会事務局長)
71歳
藤崎さんは、ステージ3の前立腺がんという大病を患ったにもかかわらず、術後も諦めることなく山に登り続け、日本百名山を制覇した強者だ。
もともと花が好きで山登りをしている部分もあった。厳しい環境の中で、可憐に咲く〝コマクサ〟などの高山植物の命の輝きに感銘を受けた。刻々と変化する宇宙美や連なる山々の景色、宝石のような植物に心を動かされ、登るたびにその瞬間のすばらしさを写真に収め続けた。そして昨年、長年撮りためた膨大な数の写真から厳選し「山が教えてくれた大切なもの」(梓書院)という美しい山の写真集ができあがった。
彼の人生を語るうえで大きなウエイトを占める存在、それが「野球」。小学校の卒業文集に「投手志望で野球選手になりたい」と書いた野球少年は、唐津商業で甲子園にも出場した。
「ハードな練習を継続することでしか、本番をしっかり戦える方法はない」と信じて頑張っていたし、今も〝努力し続けることにこそ意義がある〟と信じている。「この考え方が自分の全ての行動の原点。だから今もなお挑戦することを止めず、山にも登り続けているんです。」
〝何に対してでもいい。「努力を続ける」ことを子どもたちに止めないでほしい〟その思いから、山の写真集を知り合いに協力購入してもらい、その収益で市内の少年野球チームやクラブチーム、中学校などへ野球ボールの寄附をしたそうだ。大好きな山登りが野球少年たちへのエールにうまくマッチングしたかたちになった。
もちろん応援するだけではない。彼自身もまだまだチャレンジを続けるつもりだ。目下の目標は、3000m級の山残り二座への挑戦。病気をしてから体力も回復力も確実に落ちているので、楽しく山登りをするために引き続きしっかりと鍛錬をしていくそうだ。聞けば聞くほど年齢など何の目安にもならないと驚かされる。
〝エネルギッシュに生きるには、日頃から目標を持つこと。チャレンジし続け、努力を続ける精神があれば、心も鍛えられ、頭も体も応え続けてくれる〟年齢を重ねてなお体現している彼だからこそ言える言葉だ。
さあ、次はどこの頂に立つのだろう。
◆写真集の購入希望の方は
藤崎さんまでお願いします。
【電話】090-8913-4606
◆市図書館に寄贈いただいた写真集の貸し出しも行っています。
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