◆信じられるもの
許山 浩平(のみやま こうへい)さん
(ノミヤマ酒販代表/株式会社ヨンダブルディー取締役*)
夕暮れ時の西口商店街。ほのかに漏れる店の明かりの中にゆったりと人々の集う場所、ノミヤマ酒販がある。ここはお酒との出逢いを愉しみ奥深さを識るための第一歩目の場所だ。
2017年店を継いですぐの頃、目標とする有名酒販店の名を口にしたら、ある人から鼻で笑われた「店内の全商品を入れ替える気か。正気の沙汰じゃない」。それから現在まで7年間、臆することなくただ真っ直ぐに、ひたすらに仕事に向き合ってきた。店内の日本酒、焼酎は全て、彼自身が酒蔵を訪れ扱わせてもらっている逸品。経験値の深浅などではなく、自分という人間をちゃんと見てくれる造り手の酒を、想いと共に着実に飲み手へ繋いでいくうちに、気づけば店内の全商品は入れ替わっていた。
酒は造り手の人柄や想い、そして風土が詰まったもの。だからこそ、敬意を持って丁寧にお客さんに繋ぎたいと思う。共感の輪を広げてゆくことが自身の役割だと語る。
許山さんが勧めるお酒に間違いはない、という評判を本当によく聞く。本人曰く「間違いなくいいものなんだからそりゃ飲んでもらえたら伝わりますよ」とさらり。人の何倍も勉強して、研究して、毎日真剣に酒と向き合うことで裏打ちされた『自信』から出る言葉に、説得力がない訳はない。
誤解を恐れずに言うと、ノミヤマ酒販の角打ちは客を選ぶ。彼は、純粋にお酒を愉しんでくれるお客さんの時間と空間を守りたいのだ。モラルの低い客には店を出てもらうことも。「お客さんは店を映す鏡。うちではパートナーと言ってもいいくらいの存在。ここに来てくれる方は、本当に飲み方のかっこいいお客さんばかりなんです。お子さま連れでも安心して来てほしいから、セーフティであり、お酒を純粋に愉しめるこの空気感は守っていきたいですね」角打ちを集合場所にして、古賀のハシゴ酒を楽しんでほしい思いから19時までの営業なのだそうだ。
店は順調。だが店舗数を増やしたり、むやみに事業拡大する気はない。自分がワクワクすることに共感してくれる少数精鋭のスタッフ達と共に〝小さくて強い店〟にしたいから。だからこそ地に足を着けて今に全集中する。怖いものはない。信じられるものは自分の中にしっかりある。
▽ノミヤマ酒販(天神1-8-40)
【電話】942-2061
・ノミヤマ酒販ホームページ
・株式会社ヨンダブルディー
※各QRコードは広報紙をご覧下さい。
*株式会社ヨンダブルディー:古賀駅西口商店街の賑わいを取り戻すことを目的に同志とともに設立したエリアマネジメントカンパニー。覚悟を決めて借金を背負ってやっています。娘に「古賀には何もないもんね」と言わせたくないし、将来ここを離れたときに地元のことを誇らしげに話してほしいから。さまざまな人たちとワクワクすることをやっていきたい。新しいプロジェクトもいよいよ動き出します!楽しい場所がまた一つ。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>