◆「自分も高齢だから、今年はもう作れないよ」長年実家の田んぼを作ってくれている方から断られるのが近年恒例。「米を作らないと田が荒れる。ご先祖様に申し訳ない」と心配する母。今年も頼み込み、無事に早苗田(さなえだ)を見られたが、来年は期待薄らしい。
◆手段を持たない母に代わり、インスタで田んぼを作ってくれる人を探してみた。同じ町内でヒットした人に連絡を取り母に繋ぐと、早速田んぼを見に来てくれるとのこと。〝見ず知らずの人とSNSで繋がる〟ことは母にとっては〝触感の無い不思議な世界〟。だが、頼みの綱が切れそうな今、希望の綱が現れたのは現実。ともかく母の長年の悩みは、一気に解決方向へ。今まで放って置いたくせに、スマホの上でちょっと指先を動かしただけで感謝される自分が、ちょっぴり気まずい。
(友杉)
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