〜神と人を結ぶ地域のカタチ〜
京築地域は、国内屈指の「神楽の里」といわれています。夏も終わりに近づき「神楽シーズン」ともなればそこかしこにある神社には、祭りの開催を告げる幟旗がはためき、笛や太鼓の音が響き渡る―。今月は神楽特集。町内の神楽団体で活躍する人たちを紹介し、町の伝統文化について一緒に考えてみましょう。
■古来、人々は神の言葉を聞くことで様々な厄難から逃れ、五穀豊穣と生命の再生を祈りました。その儀式として演じられたのが神楽です。
そこに暮らす人々にとって神楽は楽しみであり、生きるための祭りごとでもある。京築地域では今でも三十もの神楽団体が活動し春や秋のお祭りの際に多くの神社で奉納されます。躍動感あふれるお囃子のリズムときらびやかな衣装。優雅で迫力のある舞いと、スピード感あふれるダイナミックな身のこなし。
その美しく厳かな舞に共通するのは、里のくらしや大自然の恵みに活かされ生きることへの感謝を根底にすえた里心が大切に守られ、こどもたちへと伝えられています。
それぞれの神楽は、その時そこに住まう人々、そこでの暮らしや社会情勢の移り変わりに深く関わっています。それゆえに地区固有の独自性を持ち、それが各神楽団体の個性となっています。そこに息づく神楽には、その地区が辿ってきた生き様が映し出されています。
吉富町でも長い歴史の中で現代まで大切に伝承された神楽団体があります。長い歴史の中で先人たちの想いと努力によって現代まで繋いできた神楽は、私たちの大切な宝なのです。
■吉富町の神楽団体
吉富町には土屋神楽講、吉富神楽講の2団体があり、今年も町内各所の神社や道端で神楽が奉納されている光景を目にすることでしょう。
土屋神楽講は、起源が古く、一説によると、江戸時代(寛政年間1789〜1801年)にはすでに奉納されていたとも言われます。戦後後継者不足により一時途絶えましたが、平成に入り地元壷神社の改修を機に有志であつまり復興しました。
吉富神楽は、平成5年に神楽好きの若者が集い、6年間に渡る成恒神楽からの神楽講としての所作の伝授を終え、吉富神楽の旗揚げを認められました。京築神楽のなかでは最も新しい神楽ですが、地域に根付く神楽講でありたいと、意欲的に活動しています。
取材では、神楽への想いを楽しそうに話してくれる皆さんの表情が印象に残りました。だた神楽を伝承していくだけでなく、神楽への思い出や愛情もつないでいくことが未来のこどもたちに伝統や文化を大切にする心を育んでいくチカラになると思います。先人たちの想いが詰まった神楽をいつまでも大切にしていきたい―
京築神楽の奉納スケジュール、会場のことなど、詳しくは「福岡県観光WEBクロスロードふくおか」でご確認ください。こちらのサイトでは、京築地域の神楽の情報のほか、おすすめのイベントやグルメなどの情報も発信しています。
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