■「食」が人を「育」む
4つのチカラ~”Food” “nurtures” people~
〇健康な心とからだをつくるチカラ
1日3食、バランスのとれた食事をとることは、健康のために大切です。生活習慣病や低栄養などを予防するためにも、「朝食を毎日食べる」「主食・主菜・副菜がそろった食事をとる」「野菜の摂取量を増やす」ことを心がけましょう。
〇食べ物の選択や、食事づくりができるチカラ
たくさんの食べ物がある中で、栄養バランスや自分にあった食事量を考えて選ぶこと、食事を作る技術を身につけることは健康で豊かな食生活につながります。食品を選ぶ目安に「食品表示」を活用しましょう。
〇食を楽しみ、感謝するチカラ
食べ物は生産から食卓まで、多くの人の手を介して私たちに届けられます。また、食べることは命をいただくことでもあります。家族や友人と一緒に食べる「共食」の機会を増やして、食べ物や作ってくれた人に感謝しましょう。
〇食文化を理解し、伝えるチカラ
豊かな自然に恵まれた日本には、先人から伝えられた素晴らしい食文化があります。それぞれの家庭や地域で受け継いできた伝統的な食材や郷土料理・食事マナーなどを知り、次世代に伝えていきましょう。
◇良い食事は「心」にも良い
献立はSDGsの観点からも「食べ残し」削減を意識しています。また、小学生は給食によって初めてその食材と出会うケースもあるので、好きになってもらえるように形や色合い、味付けなど工夫しています。季節の行事食や旬の食材、地場野菜を使った献立などを取り入れ、生きた教材として食育が学べるよう心がけています。食べることは「命」をいただくことでもあるので、児童の皆さんは、食べることに「感謝」の気持ちを大切にしてほしいですね。
小学校栄養教諭 市木 あゆみ先生
◇食べることは「楽しい」こと
給食を安心安全に提供するのはもちろんですが、献立は、旬の食材を取り入れたり、郷土料理や世界の料理を取り入れたりすることで、こどもたちが「食べること」に興味を持ってもらい「食育」が学べるように工夫をしています。生徒たちはオーダー給食や提案給食などを通して自分から「食」へ対する学びの姿が見られるので私たちもやりがいを感じて更に頑張れるんです。何よりも給食が学校に来る楽しみの一つになってくれると嬉しいです。
中学校栄養教諭 和才 妙先生
■学校給食にご寄附いただきました
町が進める給食や食育の取り組みに各団体からご寄附をいただきました。こどもたちの給食や食育などに活用させていただきます。
◇ブレンド米の寄附をいただきました!
さくさくファーム様と子育て支援ボランティア団体親子の学び舎くるみ様から、地域貢献の一環として、「ゆく鴨米(かもまい)」と「くるみ愛米(あいまい)」のブレンド米をご寄附いただきました。いただいたお米は12月の学校給食で使用します。こどもたちも、安心・安全な食材を通じて、様々な事を学ぶ良い機会になりました。
◇農業者より新米の寄附をいただきました!
町内の認定農業者など9名で構成される吉富町認定農業者・担い手農家連絡協議会(松本久則会長、山本幸雄副会長)の皆さんより「こどもたちや町内の方々に吉富のお米を食べて欲しい」と収穫したての新米300kgのご寄附をいただきました。いただいたお米は小中学校の学校給食のほか、吉富町社会福祉協議会の活動などに使わせていただきます。物価高騰が続く中、温かいお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。
◇紅はるかを寄附いただきました!
吉富町の認定農業者である髙橋初美(たかはしはつみ)さんの管理する農地で、こどもの森の4・5歳児が芋ほり体験をさせていただきました。栽培していた「紅はるか」は町の振興作物でもあり、高い糖度と滑らかな食感、芳醇な香りが特徴のさつまいもです。
こどもたちは芋ほりという貴重な体験をさせていただいたことに加え、美味しいお芋をいただいて大変嬉しそうでした。いただいた貴重なお芋は、こどもの森でクッキング体験(スイートポテトづくり)に利用させていただき、美味しくいただきました。髙橋さん、どうもありがとうございました。
※「髙橋初美」の「初」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
■多くくの栄養素をバランスよくとれるように作られている学校給食。栄養素や食生活での偏りを補い、成長期のこどもたちを支えています。また、食育でも大きな役割を担い、食材や食文化、望ましい食習慣、健康、「食べ物に感謝する気持ち」などを考え、生きる力を身に付ける重要な機会となっています。
◇地域に根付いた学校給食
吉富町の学校給食は自校方式により、給食時刻に合わせて調理を行い、適温の給食を提供しています。また食材には福岡県学校給食会などから仕入れているので、県内や地域でとれた農産物などの食材が使われていて、お米については、農業協同組合から近隣地域でとれたものを購入して使用しています。お米は外部施設などで炊くことも多いですが、吉富町では、全て給食室の炊飯器で炊いていて、炊き立ての美味しいごはんが提供されます。特産品を取り入れた献立や、中学校ではオーダー給食、給食時間に食に関する全校放送を取り入れるなど、給食を通してこどもたちが吉富町に愛着を持ち、感謝の気持ちを育む機会も得られているようです。
◇「食」を「育」てる
命の恵みや、人に感謝をする気持ちを育むことは、とても大切なこと。食を通じてココロも育む「食育」。それはこどもたちだけでなく、大人も同様です。毎日、顔を合わせて食事をすることも食育の一つ。例えば食事の時に、こどもの表情が「いつもと違う」「元気がない」など変化を感じ取ることができるかもしれません。家族で食卓を囲む時間を増やすことも、食育といえます。これらは、こどものころから家庭や学校、地域などで学び、身に付けていくもので、大人になってからもずっと育み続けていくものです。大人にはそうした食の知識・経験や日本の食文化などを「次世代に伝える」という役割もあります。
吉富町の学校給食は、地元の食材を活かした美味しい給食がこどもたちに毎日提供されています。その背景には地域のため、人のために尽力する人、そして失われた命があり、私たちが今を生きることができるのではないでしょうか。
食べることは命をいただくということ。動植物の命と、食に携わる人たちすべてに、感謝の気持ちを込めて「いただきます。」の言葉を。
特集 ―終わり―
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