-久保山石油株式会社-
代表取締役 久保山敦(くぼやまあつし)さん(上高橋)
生活するうえで必要な車。その源となっているガソリンなどを提供しているガソリンスタンド。
今回は、町で36年以上ガソリンスタンドを経営し、皆さんの移動を支えている久保山さんにきっかけや大切にしていることなどについてお話を聞きました。
■ガソリンスタンドで働く魅力
高校卒業後は大学へ進学し、学生生活と並行して福岡市内のガソリンスタンドでアルバイトをしていました。アルバイトを始めたきっかけは父の影響でした。父は57年前に上高橋区でガソリンスタンドを開業。当時は町内にガソリンスタンドが少なく、これまでお世話になってきた大刀洗町に貢献したいとの想いで開業したそうです。
そんな父の想いや働く姿に憧れを抱いたことと、車に興味があったことから働き始めました。父が働く姿を見ていましたが、具体的な業務内容はあまり知らず、実際に働いてみると想像しているよりも大変だったのを今でも覚えています。その中でお客さんと直接会話することや車に関われることに楽しさを感じていました。
■後を継ぐ決意
アルバイトも慣れてきた大学4年生のころ、父から「本郷に新しくガソリンスタンドを開業したいから、店員として手伝ってほしい」と相談を受けました。元々、父からは将来、後を継いで欲しいなどとは言われたことはなかったのですが、働くなかで感じた魅力から、自分も父のように働き、いつしか後を継ぐことができたらと考えていました。そのタイミングでの父からの相談で、漠然とした「後を継げたら」という思いから「後を継ぐ」と決意に変わった瞬間でした。そこで、一日でも早く父に近づきたいという思いや中途半端になるのが嫌だったことから大学を中退し、本郷店の店長として働き始めました。当時の本郷店は社員とアルバイトの4人体制で、アルバイトでの経験や父の背中を見て学んだことなどを生かしながら働いていました。
■継承し、よりお客さんのために
父が高齢となり体力的な衰えから、15年前に久保山石油を託され後を継ぎました。現在は、父から学んだことを継承しながら、中古車販売や車検、コーティング専門店のキーパープロショップを新たに取り入れるなど、来店していただいたお客さんに対してさまざまなサポートができるようにしています。お客さんは大刀洗店、本郷店ともに地元の方々を中心に利用いただいています。その中で、従業員には「笑顔」と「正直に」を大切にするように伝えています。セルフサービスにしていないからこそ、お客さんには笑顔で接客し、お客さんの大切な車だからこそできることとできないことを丁寧に、正直に説明するようにしています。
■「ありがとう」が仕事への活力に
これまで長年ガソリンスタンドで働いてきた中で、お客さんからいただく「ありがとう」の感謝の言葉が仕事への活力につながっており、自分へのご褒美だとも思っています。昨今の物価高騰などの影響でガソリン価格が高騰し、経営も厳しいものとなっていますが、それでも来店していただいているお客さんのために、その時代にあった形でさまざまなサービス提供をしていきたいです。
■最後に
自分が生まれ育ったこの町のためにガソリンスタンドだけでなく、消防団などの地域活動を通じて、これからも町に貢献できたらと思います。
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