-株式会社Unique(ユニーク)-
代表取締役 長野清一郎(ながのせいいちろう)さん(山隈)
子どもたちの意思を尊重し、自分らしく過ごせる場や社会を創りたいという想いで設立された「株式会社Unique」。
今回は、長野さんに開設までの道のりやこだわりなどのお話を聞きました。
■作業療法士になったきっかけ
人と話すことが好きな私は、学生のころから人と関わる仕事に就きたいと思い、さまざまな職種を調べていました。その中で「作業療法士」の職に興味を持ち、高校生のときに、どのような仕事なのかを学ぶため職業体験へ。その際に患者さんと近しくコミュニケーションを取りながら、一緒にリハビリに取り組む姿に魅力を感じ、作業療法士になることを決意しました。そして柳川市にある専門学校へ進学し、作業療法士の資格を取得。実習で出会った重症心身障がい(重度の身体障がいや知的障がい)があるお子さんや大人の方の純粋さや人柄に惚れ、少しでも役に立ちたいと感じました。そこで卒業後は、実習先だった医療型障がい児入所施設・療養介護(自宅での療養が難しい児・者がリハビリなどを行いながら暮らす施設)へ就職しました。
■Uniqueの立ち上げ
働くにつれて、重度障がいのある子どもたちが、より自由に自分らしく過ごせる場を作りたいと思い独立を決意。一度、独立のノウハウを学ぶため、他社の福祉施設の立ち上げを経験。そして以前働いていた施設で出会った後輩の原田航輔さんと一緒に、令和4年4月に「Unique TACHIARAI HOME」を山隈に開設しました。
Uniqueでは一人ひとりが個性を大事に、自信をもって自分を表現してほしいという想いから「すべての個性にかがやきを」を企業理念とし、「個性」を英語にした「unique」を屋号にしています。さらにロゴマークも個性を意識し作成しました。
■個性を大事にするために
現在は、小学校入学前から高校生までのお子さんを対象に、保護者と通う個別療育や放課後等デイサービス、長期休暇あずかりや学校へ行きづらい子のための居場所づくりなどさまざまな形で支援を行っています。
町内外から約80名以上のお子さんに登録をいただき、来所する子どもたちはさまざまですが、すべての子どもたちが自分の個性を大事に、やりたいことを自由にできるよう作業療法士や理学療法士、言語聴覚士や看護師、教師や保育士などの専門スタッフが子どもファーストでサポートしています。また、子どもたちが心を落ち着かせ、目的別で過ごしやすいような環境をつくるため、個室を多く設けています。
子どもたちはもちろん、家族の想いに寄り添いながら、一歩ずつ前に進めるよう一緒になって考えることを大切にしています。さまざまな活動のなかで、子どもたちの成長や家族の方の笑顔を見ることがやりがいにつながっています。
■最後に
より多くの方を支援できるよう、今年4月から新たに、重症心身障がいや医療ケアが必要なお子さんから大人の方を対象とした「Unique Hananoya(はなのや)」を本郷に開設しました。
現在は通所していただいての支援を展開していますが、将来的には働く場や生活の場(グループホーム)に加え、障がいがあってもなくても参加できるイベントなど、たくさんの方の声をききながら事業展開していきたいです。
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