■「ずっと大川ずーっと大川」人と人がつながり、誰もが生きがいを感じるまち
大川市は、今年市制施行70周年という大きな節目を迎えます。
これまでの70年間、私たちのまちは、様々な時代の変化や困難を乗り越えながらも、先人達の努力によって成長を続け、木工のまち大川を作り上げてきました。令和6年度はいくつかの事業を70周年という周年行事に位置付け、例年より賑やかに取り組みながら、まちが未来に向けて魅力と活力を創造し続けるまちであることを目指してまいります。
まず、令和6年度の最重点施策について4点申し上げます。
1点目は、「大川の駅」(仮称)整備事業であります。
本市では、有明海沿岸道路、九州佐賀国際空港、三池港といった重要インフラの整備・拡張により、国内外からアクセスが大きく向上していることを好機と捉え、また、人口減少、少子・高齢化社会において基幹産業を振興し、かつ、国内外の多くの人々に、この地域のファンとなってもらうきっかけづくりとなる拠点として、環有明海経済圏域の構築の核となる「大川の駅」を整備いたします。
この拠点は、木工インテリアのまち大川らしさが表現された施設とすることや、良質な食のサービスの提供をはじめ、環有明海地域の近隣自治体との連携強化に取り組むことで、この地域の優れた資源を市町村界にとらわれず積極的に取り入れ、目の肥えた来訪者を満足させる施設・空間として整備・運営することとしています。
令和6年度は、用地の一次造成及び2月に公募を始めた整備運営事業者の選定を行い、令和9年度中の開業に向けて遅滞なく整備推進してまいります。
2点目は、「大川リビルディング事業」として「リバーサイド観光活性化事業」「歴史的資源を活用した観光まちづくり」「基幹産業の市場開拓」への取組みであります。
まず、「リバーサイド観光活性化事業」については、導入した観光動態統計システムも活用して、観光振興政策の課題の洗い直しを行いながら、大川の駅と筑後川昇開橋との間に、人の流れを生み出すための楽しい仕掛けを行ってまいりたいと考えています。
次に、小保・榎津藩境のまちにおける「歴史的資源を活用した観光まちづくり」についてですが、県指定文化財旧緒方家住宅の保存修理工事が本格的に始まり、ソフト面では、藩境の魅力を詰め込んだインバウンドツアーを実施するなど、国内外の観光客を受け入れる環境が整ってまいりますので、引き続き、地区内で活動するNPO法人「小保・榎津藩境のまち保存会」と連携しながら、観光まちづくりの取組みを推進してまいります。
最後に、「基幹産業の市場開拓」に関する取組みについてでございます。
事業者の厳しい状況を打開するために、新たなマーケットへの船出は、喫緊の課題であり、インターネット市場はもとより、海外市場やスマート家具市場に対しても積極的に打って出るべきタイミングであると考えています。当然、市場開拓を本格化するには新たな投資も必要になりますので、「ふるさと納税」や「大川市公式オンラインショッピングサイト」の寄附額・売上の増加により得られる収益を、木工産業の新市場開拓を始めとする産業再構築へ投資する組織や仕組み作りについても、議論を開始してまいりたいと考えております。
大川リビルディング事業は、大川の駅を大きな起点として賑わいと稼ぐ力を後世に残す仕事と、強い思いをもって取り組みます。
3点目は、子育て施策であります。子育て支援総合施設モッカランドにおきましては、子育て世代包括支援センターと子ども家庭総合支援拠点の機能を維持しながら、両機能を一体的に運営する「こども家庭センター」を法施行に先んじて令和5年10月より新たに設置しました。母子保健部門と児童福祉部門との連携、さらには「発達支援事業」との連携により、支援が必要な方の情報をタイムロスなく共有し、すべての妊産婦、子育て世帯、子どもの相談支援を一体的に行うことで、これまで以上に妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制を充実・強化いたします。併せて、放課後児童健全育成事業についても、市内8つの小学校区に設置している学童保育所の運営団体を令和6年度から一元化し、安定的な学童保育所の運営に努めることにより、皆様に喜んでいただける子育てにやさしいまち「おおかわ」を目指してまいります。
4点目は、重層的支援体制の整備であります。これまで高齢、障がい、子ども、生活困窮の分野毎に取り組んできた相談支援を包括化し、アウトリーチ支援を強化するとともに、本人の特性に応じた多様な社会参加の場づくりを行い、世代や分野を超えて人と人、人と資源が繋がり、支え合う地域共生社会へ向けて重層的支援体制整備事業を開始します。
なお、本事業の推進体制を「大川ふくまるネット」とし、支援関係機関や市民への周知を図ってまいります。
以上4点を令和6年度の最重点施策としながら、他にも「農業分野」と「福祉分野」の双方の課題を解決するための農福連携の取組みや、保幼小中高大の校種間連携教育の更なる推進、清力美術館企画展をはじめ文化芸術振興、電子図書館システムの導入、スポーツを活用した共生社会の推進、治水対策の推進、DXによる利便性の向上、庁舎の改修など様々な施策を進めることで市民の皆様が安心して暮らせるまちづくりを行います。そして、市全体としてSDGsやワンヘルスの理解促進に取り組み、「大川市第6次総合計画」の達成を目指します。
また、これら市民生活に必要な行政サービスを安定的に提供できるよう、引き続き、デジタル技術を活用した業務の効率化や既存の業務の見直しを図るとともに、ふるさと納税等による寄附の受入れなど多様な財源を確保し、財政基盤の構築と将来を見据えた財政運営に努めてまいります。
結びに、環有明海経済圏の民間企業や他自治体と垣根を越えた連携や交流を強化し、お互いの絆を深め、相乗効果を高めながら、国・県・近隣自治体・民間事業者など多くの方の知恵と力をいただき、全ては市民の皆様の笑顔のため、大川市の今と未来のため、「Beyond Bounds,Beat Limits(垣根を越えて、成長する)」という信念に基づき掲げた政策をぶれずに力強く推進していきますのでよろしくお願いいたします。
※令和6年第2回市議会定例会での倉重市長の所信表明の要約
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