かつて、大野の町にアメリカがあった
■米軍ハウスの痕跡
JR大野城駅東側のマンション建設に伴って発掘調査を行った際、マグカップやウイスキーボトルなどが出土しました。見つかったマグカップ(写真)は厚手のもので、側面に「UNITED STATES ARMY MEDICAL DEPARTMENT」の丸いスタンプがあり、底には「TEPCO VITRIFIED CHINA MADE IN USA」と書かれていました。底に書かれているTEPCOはカリフォルニアの陶器工場のことで、1968年まで生産が行われていました。また側面にスタンプされた文字は、アメリカ陸軍医療局向けに作られたことを示しています。
JR大野城駅の西側には、昭和21年(1946年)に建設が始まったアメリカ軍板付基地春日原住宅地区(白木原ベース)が広がっていました。また、大野町周辺には、アメリカ軍関係者が暮らす住宅が384戸以上あり、発掘調査地周辺にもそうした人たちが暮らす住宅があったことが分かっています。このことから、遺跡から出土したマグカップはアメリカ軍に関わるものであると考えることができ、基地とともにあった大野のまちの歴史を教えてくれるものです。
マグカップに注がれたのは、ほろ苦いコーヒーでしょうか?
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