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あけてみよう! 歴史のとびら 177

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福岡県大野城市

■大野城心のふるさと館のおすすめ(6)
◇夏をのりきるために〜夏越し祓い 祗園踊りの絵馬
写真は、乙金宝満神社の拝殿に掲げられていた絵馬です。この絵馬は市内の神社に奉納してあるものの中で最も古く、江戸時代後期の天保2(1831)年に博多の町絵師、村田東圃(むらたとうほ)によって描かれました。
11人の男女が手に扇を持ち、輪になって右回りに踊っている姿が描かれています。その身のこなし、表情から踊っている人物の生き生きとした楽しそうな様子が伝わります。
額は檜製で、大きさは縦117cm、横188cmあります。絵馬には「天保二辛卯六月十日産子中」「應需東圃冩■(■は判読できない文字)」(もとめに応じて東圃〈これを〉写す)の紀年銘が入っています。
古代から6月と12月はそれまでの半年のけがれを祓(はら)い浄め、その後半年の無事を祈る「祓え」といわれる神事がとりおこなわれてきました。旧暦6月30日に行われる祓えを「夏越し祓い」といい、夏には災害が多く、疫病も流行ったため、茅(かや)の輪くぐりや人形流しの祓えをして、人々は災害や病を乗り切ろうとしていました。
この絵馬は風俗画として当時の習俗や服装、髪型などを知る上でも貴重な資料であるため、平成6年(1994)3月18日に大野城市有形民俗文化財に指定されました。
現在は経年劣化による破損が見られるため、心のふるさと館で保管されています。
※写真は本紙をご覧ください。

問い合わせ先:心のふるさと館 文化財担当
【電話】558-2206

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