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太宰府の文化財(456)

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福岡県太宰府市

■文化財・文化遺産―気になるもの・子どもたちに伝えたいモノ―
「太宰府の文化財」としてこれまで455回にわたって、多種多様なものが紹介されてきました。その中で文化財・文化遺産という用語が一般的に使われています。
ことさらに、記述するまでもありませんが、今、アフターコロナを見据えた取り組みが始まろうとしていますので、この「文化財」「文化遺産」という用語をしっかり踏まえて、さまざまな場面で使ってもらうとともに、字義を知ることで、生涯学習の上で役立ててもらいたいと思います。
このように記すと、「文化財」「文化遺産」という用語が、社会一般に共通理解がなされているかというと必ずしもそうではなく、日本の文化財行政を担う文化庁でも揺れ動いていますので、地方自治体の中での理解も定まっていません。このような状況では、市民の皆さんの理解を得ることは困難ですので、昨年7月に文化庁に認定された「太宰府市文化財保存活用地域計画」では、文化庁と議論を行い、次のように定義しました。

[文化財]
国・県・市の行政機関において指定された文化財と、学術的文化的価値を有しつつも未だ指定登録されていないものを含みます。
[文化遺産]
指定・未指定を含めた広義の文化財の考えとおおむね一致しますが、文化財のように価値判断基準としての学術的な評価軸を持たないものや、おおむね50年を経過していないモノやコトを含みます。

なかなか行政用語の羅列で理解し難い文章になっています。端的に述べると、学術的な評価が必要でかつ50年以上経過しているモノが文化財で、これらを包含しつつも学術的評価を経ない、今を生きる私たち一人一人が未来の市民に伝えたいなと思ったモノが文化遺産にあたります。
また、指定された文化財は、国・県・市の行政機関が保護措置をとるのに対し、文化遺産は、大事だなと思った人が「見守る」だけで特に保護措置をとるものではありません。一方で、文化遺産の中には将来的に文化財の中に入ってくるものもあるかもしれません。その線引きが困難なため、本市では平成22年度から文化遺産調査ボランティアの皆さんの活動で多種多様な文化遺産情報を収集していただき、また一部公開できるものを市のホームページに掲載しました。
多様な文化遺産を記録し、未来の市民に伝えることが、令和5年の「今」を未来に伝えることにつながります。「だざいふ」についてさまざまな場面で語る時、気になるモノ、未来の市民に伝えたいモノである文化遺産を、話のつなぎに語り伝えていただければ幸いです。

文化財課 中島 恒次郎(なかしま こうじろう)

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