文字サイズ
自治体の皆さまへ

きゅうはく通信(172)

37/46

福岡県太宰府市

■新春特別公開「晴れなる輝き 徳川美術館所蔵 菊の白露蒔絵調度」

九州国立博物館では、正月に新春特別公開「徳川美術館所蔵 国宝 初音の調度」を開催していますが、本年は少々趣向を変えて「初音」の姉妹作「菊の白露蒔絵調度」を紹介します。
「菊の白露蒔絵調度」は、寛永10(1633)年、加賀前田家四代光高(みつたか)に嫁した三代将軍家光の養女大姫(おおひめ)(清泰院(せいたいいん)1627~1656)の婚礼調度です。「初音の調度」と同じく幕府お抱えの蒔絵師、幸阿弥長重(こうあみちょうじゅう)が手がけたもので、気品に満ちた美しい調度は寛永期の傑作として名高いものです。
本展に出品される婚礼調度の中から、もう一つ「菊折枝蒔絵調度」(徳川美術館蔵)についても紹介しましょう。本品は五摂家筆頭の近衛家から尾張徳川家十一代斉温(なりはる)に嫁いだ福君(さちぎみ)(俊恭院(しゅんきょういん)1820~40)の婚礼調度です。福君は書道や和歌、四書五経に親しむ教養豊かな姫君で、夫婦仲も良好でしたが、生来病弱の斉温は婚礼のわずか3年後、21歳で病没します。福君は当時の習慣にならい落飾し夫の菩提を弔う日々を過ごしていましたが、斉温が亡くなった翌年、病のため亡くなります。享年21歳の若さでした。福君という名前に反して早世された姫君でしたが、今に遺る華やかな婚礼調度が2人の幸せな時を伝えてくれるようです。

九州国立博物館 企画課

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU