文字サイズ
自治体の皆さまへ

手と手をつないでNo.384

25/42

福岡県太宰府市

令和6年度「手と手をつないで」の執筆を、林内隆二(はやしうちりゅうじ)さんにお願いすることになりました。
林内さんは、高等学校教員を退職後、外国人生徒・帰国生サポート特任講師として4年間勤務し、現在は小学校で英語専科教員として活躍しています。教員業務の傍ら、平成7年に人権バンド「願児我楽夢(がんじがらめ)」を結成し、全国各地で「人権コンサート」を行い、部落問題をはじめとするさまざまな差別問題をテーマとした楽曲を演奏しながら啓発活動を行っています。
本年2月25日(日)に開催された人権まつりだざいふ2024の市民ホールでのステージに出演しました。

◆スタートは想像力から
林内 隆二(はやしうち りゅうじ)(小学校英語専科教諭)

私は40年勤めた高校の教員を退職した時、次に進んでみたいステージがありました。それは小学校と中学校です。そして幸いチャンスはめぐって来ました。小学校で英語教育が始まり、私は小学生の子たちと勉強することになったのです。「ハーイ、エブリワン」「ヘロー、ミスターリンナイ!」で授業は始まります。

冬休み明けに、「冬休みはどうだった?」とクラスの子どもたちに聞くと「おばあちゃんの家に行った」「お年玉もらって嬉しかった」などの声が返ってきました。しかし、一人の子が「楽しくなかった」と言いました。「えっ何で?」と尋ねると「今年のお正月は地震や津波でたくさんの人が亡くなって心が痛かった」と返ってきました。自分のことだけでなく、他の人たちのことを思う気持ちがすごいなと思いました。人は自分の気持ちが第一で自分が中心、または自分のことで精いっぱいで、なかなか他の人に思いをはせることは難しいものです。ましてや子どもたちにとっては、楽しいばかりの期待いっぱいのお正月。なのに、この子は被災した人たちのことを思い、楽しい気分にはなれなかったというのです。「大事なことに気づいたね」と子どもたちと共有しました。

私たちの周りはあまりに情報があふれていて、自分の頭で考えることが希薄になりがちです。いじめや差別の問題は、よく「思いやり」という言葉がキーワードになります。私は、『自分中心の一方的な思いで何かをしてあげる』のではなく、また、『決まりだからしてはいけない』でもなく、人のことや気持ちを想像できた時に「こうしよう」と思う自らの意志こそが行動を生み、差別をなくしていくスタートだと考えています。一緒に考えていきましょう。

社会教育課教務係
【電話】内線451

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU