■「新収品(しゅうひん)展2024」九博の新メンバーたち
毎年恒例の「新収品展」が今年も開催されます。令和5(2023)年度に購入あるいは寄贈された新たな収蔵品〈新収品〉のなかから選りすぐりを紹介します。今年は、縄文時代の甕棺、古墳時代の埴輪、奈良の東大寺や興福寺に伝来した古文書、江戸時代の優美な小袖など、幅広い時代の、さまざまな分野の作品を初披露します。
新収品は、私たち学芸員にとって“子ども”のようなもの。一つ一つが特別で、大切な、思い入れのある作品たちです。一点、小さな小さな作品を紹介しましょう。「イモガイ製の装身具を模した土製品」は、〈ぐるぐる〉が特徴的な縄文時代の作品。南の海でしか採れないイモガイの形を真似したもので、青森県で出土しました。本物のイモガイが貴重だった時代、南方への憧れが原動力となって作られたのでしょうか。何千年も昔、直径4センチほどの焼き物を一生懸命に作っている姿を想像すると愛おしくなります。
皆さんの心をくすぐる新たな〈推(お)し作品〉が見つかること請け合いです。今年の「新収品展」もどうぞお見逃しなく!
■6月の展示情報
<新収品展>
5月21日(火)〜7月15日(日・祝)
九州国立博物館 文化財課
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