■安藤 司 × セーリング
不屈の精神で挑む
~学生生活の集大成に向かって~
安藤 司(あんどう つかさ)さん
高校でヨット部に入部し、セーリングを始める。現在、日本経済大学4年生で、全日本選手権大会や国民体育大会、全日本学生選手権大会などに出場。宮若東中学校卒業。宮田地区在住。
◇全力で駆ける学生最後の夏
「今年は学生最後の年なので、悔いが残らないよう、必死に練習しました。その結果、全日本選手権と国体、インカレという主要な大会で全国大会に進むことができました」と、今シーズンの経過を振り返る安藤さん。二人乗りのレース用小型ヨットを使ったセーリング競技「四七〇級」で躍進を続けています。
「国体は、うちの大学が絶対出るんだと、仲間と一致団結して選考会に挑みましたが、難しい風に悩まされ、最終日まで気が抜けないレースの連続だったんです。でも、ペアが引っ張ってくれたし、同じレースに出場した仲間からのサポートのおかげで、出場できました。
セーリングは、風や波などの気象条件に大きく左右される競技なんですが、鹿児島県で四日間開催された国体は、日によって風が猛烈に吹いたり、全然吹かなかったり。その難しいコンディションに加えて、仲間から託された思いに応え、優勝したいというプレッシャーも無意識にあったみたいで、メンタルで負けてしまい、国体は悔しい結果になりました」。
◇集大成の大会 そして次のステージへ
「引退試合になるインカレの全国大会が、11月1日から福岡市小戸のヨットハーバーで開催されます。僕たちの練習拠点でもあるこの会場で優勝し、学生最後の大会を気持ち良く締めくくりたいです。
セーリングは、基本的な操舵(そうだ)技術はもちろん必要ですが、風や波、潮の流れをいかに読むかというところが魅力で、全く同じコンディションになることはありません。なので、まだまだこの競技を極めていきたいと思っています。
来年から社会人になりますが、今後は二人乗りではなく、一人でヨットを操舵するシングルハンドに転向して、競技を続けます。この四年間は、練習も試合もペアと助け合ってきたので不安もありますが、自分だけでどこまでできるか、わくわくする気持ちもあります。まずは、今回悔しい結果に終わった国体での入賞を目指します。これからも活躍を続け、多くの人にこの競技の魅力を知ってもらいたいです」
■古川 陽大 × 空手道
不動の先鋒として出陣
~仲間と勝ち取った栄冠~
古川 陽大(ふるかわ はると)さん
6歳から空手を始める。小学校4年生で全国大会初出場。宮若西中学校卒業後、空手の強豪、香川県の高松中央高校へ進学。組手の団体戦で全国高校総体優勝。高校3年生。将来の夢は教師。
◇さらなる高みを目指し単身で香川へ
「空手は兄の影響で六歳の時に始めました。それから練習を頑張り、小四の時、初めて全国大会に出場するなど、空手に熱中する日々を過ごしていました。中三で進学先を考えていたとき、道場の先生の知り合いで、高松中央高校空手部の監督と、そこに進学していた福岡出身の先輩から勧誘を受けたんです。実際に練習の雰囲気を体験して、監督の指導力の高さに惹(ひ)かれたので、その高校への進学を決めました。
部活は毎日四時間近くあって、休みも月に一回程度でしたが、仲間とは、ふざけるときと練習するときの切り替えをしっかりして、お互いに高め合える関係を築いています。寮生活も全く苦には感じませんでした」と、高校に進学してからの日々を振り返る古川さん。7月に北海道で開催された全国高校総体の空手道団体組手で、見事優勝しました。
◇祖父に捧げる全国制覇
「実は、僕をかわいがってくれていた祖父が、全国大会直前の7月に亡くなってしまったんです。葬儀のために帰省すると、祖父は見慣れない坊主頭になっていました。家族の話では、生前『陽大が空手で頑張っているから、同じ髪型にして応援する』と言っていたそうで。優勝する姿を見せてあげたかったという思いがあふれ、絶対に祖父の気持ちに応えると心に誓いました。
団体戦は五人で戦うのですが、僕は一番手の先鋒(せんぽう)を務めることが多いです。勝っても負けても仲間が温かく迎えてくれるので、いつも思い切って試合に臨めています。全国大会の決勝戦でも先鋒で出場し、勝利することでチームに勢いをつけることができました。優勝を決めた後、チームメイトから『お前は不動の先鋒だな』と言われたことが印象に残っています。また、この大会では先に女子が団体組手で優勝していたので、自分たちも負けられないと思ったことも力になりました」。
高校三年間の集大成を最高の形で締めくくった古川さん。「高校卒業後は体育大学に進学し、教師になって子どもたちを指導したいです」と、次の夢を語ってくれました。
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