8年前、姉が成人式(当時)の式典で弟妹代表を務めた姿に憧れ、今回同じ舞台に立つことを自ら希望した一人の中学生がいました。
その姿は、家族や周囲に驚きと感動を与え、思いと憧れが次の世代へと紡がれていきます。
■入江 眞子(いりえ まこ)さん
・入江家 次女(宮若西中学校3年)
◇輝いている大人に
「学校で、『はげましのことば』を贈る人の公募の手紙をもらったことが、応募のきっかけです」。
そう話すのは、1月12日に行われたはたちのつどいで、弟妹代表として壇上に立った入江眞子さん。なぜ今回応募したのかを尋ねてみました。
「今回のはたちのつどいは、ある意味プレゼントでした。姉が参加するので、驚かせたくて応募したんですよ。学校から手紙をもらってすぐに、お母さんに渡して、これに出たいって言いました。実は八年前の成人式で、姉が、弟妹代表として壇上に立ったんです。そのときの姿は輝いていて、私は強く憧れを抱きました。今でもそのときの光景を鮮明に覚えています。
今は、高校受験のため勉強を頑張っています。受験が終われば、姉とまたバドミントンを一緒にしたいですね。将来の夢はまだ決まっていませんが、二十歳になる頃には、兄や姉のように、すてきで輝いている大人になりたいです」。
新たな決意とともに、自身の中で大きな一歩を踏み出した眞子さん。五年後のはたちのつどいが楽しみです。
◇眞子さんが成人式で贈った『はげましのことば』の一部をご紹介します。
「3年前の兄の成人式の日、スーツを着た兄を初めて見ました。ときどき叱られることがあっても、優しくそばにいてくれる兄の晴れ姿に、なんだか少し遠くなったような、でも誇らしいような気持ちになったことを覚えています。
そして今日、姉がはたちのつどいを迎えました。ケンカをすることはあったけど、私のバドミントンの練習にいつも付き合ってくれました。そして、落ち込んだときは励ましてくれました。その姉は今自分の夢を見つけ、その夢をかなえるために頑張っています。将来に向かって進んでいる姿はかっこいいです。私の少し先を歩き、たまに振り返って優しさをくれた姉。今もまだ、私にとって憧れの人です。
5年後、私が20歳になるとき、姉のように、またここにいるお兄さんお姉さんのように輝いていたい。私が皆さんをすてきだと思っているように、すてきだと思われる私になれるよう頑張ります。」
■入江 綾乃(いりえ あやの)さん
・入江家 長女(宮若西中学校出身)
◇八年前・今・これから
はたちのつどいを迎えた姉の綾乃さん。当日まで眞子さんが壇上に立つことを知らず、驚いたといいます。
「受付でパンフレットをもらって、『誰が出るんだろう』と見たら、妹の名前が書いてあるんですよ。まさか、と思っていたんですけど、壇上に立った妹を見て、驚きましたね。
驚いた一番の理由は、妹は物静かで、あんまり人前で話すような子じゃないからです。誰かについて行くとか、他の人の意見に、『あ、私も』って、言う事が多いタイプだったので、自分で行動して何かを言えるようになった事に成長を感じて、姉としてうれしい気持ちがありました。
私自身、八年前に弟妹代表として壇上に立ち、はげましのことばを贈りました。その時のことは今でも大事な思い出です。あの日から、『すてきだな』、『立派だな』と思われるようになりたい、そう思いながら過ごし、二十歳を迎えました。こうして大人になった今振り返ると、あのときのお兄さんお姉さんのように、立派になれていないな、まだまだ子どもだなと、思う部分も多々あります。
今は大学に通っていて、伝統工芸品に関わる仕事をしたいという目標を見つけることができました。この目標に向かって、これからも頑張っていきたいですね」
◇綾乃さんが成人式で贈った『はげましのことば』の一部をご紹介します。
「私は、バドミントンを習っています。先日、中学校3年生のお兄さんに練習相手をしてもらいました。とても上手でていねいに教えてくれました。きっと何年もバドミントンの経験を積んでいるのだろうと、どこか落ち込むような気持ちになりました。すると、『小学校6年生から始めたんだけど、努力して上手になり、高校から特待をもらったんだよ』と、話してくれました。私は、とても驚きました。そして、うれしくなりました。あのお兄さんは、自信のない私の気持ちに気づいてくれたのでていねいに教えてくれたのだと分かったのです。そして、私も頑張ってみようと思いました。大人になっていくことについて考えた時、あのお兄さんのように人の痛みや悲しみを感じ、やわらげられるような人になりたいと思いました。
私も8年後の成人式の日にみなさんのように後輩の6年生に『すてきだな』、『立派だな』と思われるようになりたいと強く思っています。」
当時の成人式の様子は、市公式ホームページで宮若生活2017年2月号をご覧ください。
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