■外部からの視点で地域の可能性を探る
皆さんは「地域おこし協力隊」をご存じですか?
これは、総務省が平成21年に開始した地方を活性化させるための制度で、地方自治体が都市地域からの移住者を「地域おこし協力隊員」として任命し、地域協力活動に参加してもらいます。1~3年間の任期中に、農業や漁業、地域の魅力PR、イベントの企画・運営など、その地域の特性を生かしたさまざまな活動を行いながら、最終的に地域への定住を図ることが目的です。現在、全国で6000人以上の隊員が活躍しており、地域の可能性を探りながら奮闘しています。
今回の特集は、広川町地域おこし協力隊として活躍されている、山口さんと染矢さんに密着し、「なぜ広川町を選んだのか?」や「広川町の資源とは何か?」などについて、外部の視点からお話を聞きました。
■久留米絣にかける想いに魅せられて
地域おこし協力隊 山口直美さん
私は京都府の出身で、前職は藍染体験施設で取り組む大人の社会塾の運営や藍染製品の生産販売を行っていました。
広川町を知るきっかけとなったのは、地域文化商社「うなぎの寝床」さんが主宰する、久留米絣の織元を巡る地域体験ツアーに参加したことです。そのときに、広川町の織元さんを訪れ、久留米絣の生産現場を知り、それを未来へつなごうとされている想いに魅せられ「この町で自身の経験を生かせれば」と思い、移住を決めました。
昨年の4月に協力隊に着任してからは、主に久留米絣のPRやイベントのお手伝いなどを行っています。また、織元さんと染めの勉強会をするなど、久留米絣に対する見識を深めているところです。
広川町は生活しやすいと感じます。自然に囲まれているのに利便性が高い「都会過ぎず田舎過ぎず」という環境も、広川町の魅力の一つではないでしょうか。
まずは久留米絣の魅力を一人でも多くの人に伝え、関係人口を増やしていきたいと思っています。そして、久留米絣だけでなく、町の魅力を感じてもらえるような体験ツアーを企画してみたいです。
■町のポテンシャルを生かすためには?
地域おこし協力隊 染矢香理さん
私は宮崎県の出身で、前職ではイベント関連のグラフィックデザインや立体デザイン、企業ブランディングの仕事に携わっていました。
子どものころから自然が大好きで、休みの日は川や山に出かけることが多く、その中で広川町を知りました。ちょうど転職を考えていた時期でもあり、仕事に対する想いやタイミング、そして協力隊で募集していた仕事内容の3つがそろい「これはご縁だ」と考え、移住を決断しました。
協力隊としての主な仕事は、「Hodoku」の有効活用です。町内にある施設なのですが、まだまだ認知度が低く、どのように利用できるかなどの周知活動に努めています。交流できる創造拠点として、多くの人に有効活用してもらいたいです。
6月に移住してから生活する中で、広川町は資源豊富な「ポテンシャルの高い地域」だと改めて感じます。しかし、そのポテンシャルを生かすには、デザインやPRの仕方など、クリエイティブな仕事に目を向けていく必要があります。これまでの自身の経験やデザインスキルを生かし、広川町の魅力を最大限に伝えていきたいと思います。
■地域の資源を掘り起こす
地域には、全国に通用する魅力的な資源がたくさんあります。広川町にも、久留米絣やフルーツ、八女茶や古墳などの資源がありますが、ほかにも「広川ならでは」の資源がまだ眠っているはずです。
外部の人にとってはとても魅力的な「磨けばダイヤモンドのように光る資源」も、地域の人にとっては昔から当たり前のように存在するものであるが故、その魅力に気付かず、掘り起こされることなく眠っていることも少なくありません。
そこで、外部からの視点で客観的にその資源の価値を判断し、上手に活用できる人材が必要になります。それが地域おこし協力隊です。
■広川町の魅力を掘り起こす!協力隊が考える町の「魅力」と「資源」とは?
お二人が考える「まだ広川町に眠る魅力や資源」とは何でしょう?
山口:広川町の一番の資源は人だと思います。私は仕事柄、久留米絣の織元さんと接する機会が多いのですが、個性豊かなキャラクターが魅力的だと感じます。そのため、人に着目した伝え方をしていけば、新しいアプローチができると思います。
染矢:広川町には、久留米絣の織元さんのほかにも、農家さんなどの専門職の人がたくさんいます。一つの物事を追求し続ける職人さんてかっこいいですよね!それこそ広川町の資源であり財産です。「モノ」ではなく「人」にスポットをあててブランディングすることで、魅力を伝えられることもあるのではないでしょうか。
問合せ:産業課商工観光係
【電話】0943-32-1142
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