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町民インタビュー

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福岡県志免町

志免のハレの日を彩ってきた素朴な美味しさの恵比須饅頭

伊藤安文さんと伊藤八千代さん

志免町のお祝いシーンの傍らにある恵比須饅頭の紅白饅頭やお餅。お祝い事で頂いたことのある人も多いのではないでしょうか。今月は、このお饅頭を一つひとつ丁寧に手作りする伊藤安文さんと八千代さんにインタビューをしました。
23歳から饅頭を作り続けているという八千代さんにお話を伺うと、「創業して62年。義母が饅頭屋をしていて、私はお嫁にきてすぐから手伝い始めました。お饅頭は昔ながらの製法のため無添加にこだわっています。生地が柔らかいので、他の人が作るとベタベタ手にくっついて、私しか包めません。だから2日間寝らんづくで作ったこともあるんですよ。これだけ作ってもありがたいことに手はどうもない。ご先祖様に感謝しないといかんですね」そう言って見せてくれた手はしっとり艶やか。手が感覚を覚えていて、自然と同じ大きさになるのだそう。安文さんに人気商品を伺うと、「一番はいきなり団子やね。ほくほくした甘みのある芋にこだわっているから、芋の出来によって産地を変えることもしばしば。恵比須饅頭のいきなり団子が食べたいから、東京へ送ってほしいという方もいるんですよ。満1歳を祝う誕生餅や棟上げ用の餅、お赤飯などのお祝い事に欠かせない品もよく予約を頂きます」。ここにしかない志免のシンボル『竪坑櫓マーク』や『祝』の焼印が押された紅白饅頭も予約をすれば、作ってくれるそうです。
志免2丁目にお店を構え、町の移り変わりを見守ってきたおふたり。昔は、店前の道路に線路が伸び、汽車が走っていたと言います。「今の鉄道記念公園が志免駅で、大正町は繁華街でね。映画館や風呂屋が軒を連ねて、多くの人で賑わう活気のある商店街だったんですよ」と安文さん。八千代さんも「今は腰かけてお喋りできる場所がなくなったでしょう。だから、お店に椅子を置いて憩いの場にしてるんです。寄ってらっしゃい、饅頭1個でもいいとよって声をかけてね。お客さんは子どもからお年寄りまで様々。みんなにまだ頑張ってと言われるから、あと数年は続けたいですね」と笑顔で話してくださいました。志免の人々の拠り所として愛されている恵比須饅頭。12月の暮れには正月用のお餅も販売されるので、皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか。

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