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町民インタビュー

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福岡県志免町

志免の工房から生まれる四百余年の歴史を誇る博多曲物

十八代目・柴田玉樹さん

福岡県を代表する伝統工芸品・博多曲物は、杉やヒノキの薄板を熱湯で曲げ、桜の皮で綴じて作られたもの。木肌や曲線の美しさ・軽くて丈夫な使いやすさに加え、調湿作用や抗菌作用が高いことから、古来より神具や茶道具、生活用品として重宝されてきました。現在、博多曲物を作る店はわずか二軒。そのうちの一軒が志免町にあります。今回はこの工房で日々制作に励む博多曲物十八代目・柴田玉樹さんにお話しを伺いました。
「全国各地で曲物は作られていますが、博多曲物が曲物の発祥地なんですよ。古くは、西暦二百年ごろ応神天皇が誕生した際、母の神功皇后がへその緒を納めるために木箱を作らせ、筥崎宮の松の根元に埋めたと言われています。柴田家の歴史は、家系図で記録に残っている初代・吉右衛門の没年が慶長五年。約四百年続く家業を継ぐことになり、私で十八代目。三十年前に馬出から志免町へ工房の拠点を移し、今に至ります」と玉樹さん。筥崎宮の神輿清めの儀式を行う飾り職として代々奉仕し、神前に供える曲物の祭具づくりをしてきたと言います。
「もともと神社仏閣の三宝や高貴な人たちの御膳として使われていたものが、江戸時代に台所用品として庶民にも愛用されるようになりました。博多曲物の特徴としては丸型や楕円型だけでなく、お弁当箱として喜ばれている四角型のものも作っていることです。また、絵柄のある商品に関しては分業せず絵付けもすべて行っています。一つひとつ『先代はこんな風にしていた』と思い出しながら、丁寧に手作りしています。これからも伝統を受け継ぎながら、今の生活にあった良いものを作っていきたいですね」。大小の箱を入れこんでコンパクトに収納できるものや、曲物に入れたかんなくずにアロマを垂らして使う香器など、現代の様式にフィットした曲物も創作する玉樹さん。最後に志免町の印象を伺うと、「役場の人の温かさがいいですね。色々と相談に乗ってくれるのでありがたいです」と気さくな笑顔で話してくださいました。
志免町の工房でのみ博多曲物を二割引きで購入可能(平日限定)だそう。興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

住所:志免町別府西2-2-16
【電話】935-5056

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