長い人生。
誰もが歳を重ねそして、変わってゆく。
その変化の一つが認知症だったり。
9月は「世界アルツハイマー月間」です。
認知症を、「じぶんごと」として考えてみませんか。
■認知症って何だろう?
認知症とは、脳の病気などのさまざまな原因で脳の細胞が傷ついてしまったり、働きが悪くなったりして、今まで日常生活でできていた事ができなくなります。
まずは、認知症の人の視点に立って、どうしてこの言動になるのか考えてみましょう。
◇認知症の主な症状
脳のネットワークが傷つく
↓
〇認知機能障害(脳におこっている病気そのものによって直接おこる)
もの忘れ…体験や出来事を忘れる。新しいことを記憶しにくい。
失見当識…時間や場所がわからない。
理解、判断力の低下…考えるスピードがゆっくりになる。
実行機能障害…物事を段取りよく進めることがむずかしい。
〇行動・心理症状(関わり方で改善できる)
うつ…失敗を責められると悲しくなる。
いらいら…感情のコントロールが難しくなる。
幻覚…見えないものが見える。
妄想…物が盗まれたなどという。
行動・心理症状の多くは、背景にそこにいたる理由があります。その理由が分かれば、予防・軽減ができます!
■約4人に1人が認知症?
高齢化が進む中で、認知症は身近なものになっています。現在、高齢者の約4人に1人が認知症または軽度認知障害(MCI)、90歳以上になると、約2人に1人が認知症であると言われています。
「自分はまだ大丈夫」
「うちの親はまだ元気だから」
そう思いがちですが、認知症は、決して他人事ではありません。
誰にでも起こりうる身近な病気なのです。
◇認知症有病率
認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究
(令和5年度老人保健事業推進費等補助金九州大学二宮利治教授)より
■早期に発見、受診を。
認知症は、すぐに進行するわけではありません。「認知症かも?」と気づいたときには、早めに相談や受診をすることが大切です。早期に発見して適切な対処をすれば、その人らしい充実した暮らしを続けることができます。
◇早期発見チェックリスト
こんな症状はありませんか?ご本人だけでなく、ご家族や周りの方々も、ご本人の症状の確認のためにご活用ください。
(1)よく知っている場所なのに、道に迷うことがある
(2)同じことを何回も話したり、質問したりする
(3)5分ほど前に聞いた話や、したことを思い出せないことがある
(4)約束したことを忘れたり、間違えたりするようになった
(5)同じ服を毎日着ているなど、衣服の着替えをしなくなった
(6)食事は普段どおりにしているのに、食べたことを忘れる
(7)以前は段取りよくできた家事や作業ができなくなった
(8)同じ料理ばかり作ってしまう、味付けがうまくできなくなった
(9)鍋焦がしや、ストーブなどの火を消し忘れることが多くなった
(10)家に閉じこもりがちになり、老人会などの集まりに行きたがらなくなった
(11)財布や鍵などの、置き場所がわからなくなり、いつも探し物をするようになった
(12)以前に比べて、怒りっぽくなったり、疑い深くなった
(13)見えないはずの物や人が見えたり、聞こえたりするようになった
(14)お金や物をとられたなど、被害妄想が出てきた
4項目以上に該当、または(13)・(14)に該当される場合は、早めの相談をおすすめします
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