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シリーズ人権

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福岡県朝倉市

■共に助け合う社会に
皆さんは、共生思想をご存じですか。共生思想とは「同じ立場に身を置き、お互いの優劣や価値観に縛られずに、共に歩み生きていく」というものです。
この思想と相いれないものに、優生思想があります。「身体的、精神的に優秀な者の遺伝子を保護し、逆に劣っている者の遺伝子を排除する」というもので、人種差別や障がい者差別を正当化することにつながりました。
戦時中、日本では戦争に勝つため、「国家総力戦」の体制づくりに向け、心身ともに優秀な国民を求め、この思想が普及していきました。また、戦後、優生保護法(昭和23年)まで制定し、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止」していきました。
その一例が、ハンセン病患者に対する隔離政策です。患者は隔離され、子どもが生まれないように断種(生殖腺の除去)や堕胎(人工妊娠中絶)など、考えられないような差別や行為が1990年代まで続きました。
近年になっても、この優生思想をきっかけとして、相模原障がい者施設殺傷事件が起こりました。平成28年7月、元施設職員が夜中に施設へ侵入し、入居する障がい者19名を刺殺、入居者・職員あわせて26名に重軽傷を負わせたというものです。
加害者は、「障がい者は無益で生きる価値がなく、不幸を生み出す存在であるから、世の中から排除されなければならない」という極端に偏った考えを持っていたとされます。
残念ながら、この加害者の考え方に一定の理解を示す人が一部いるということも問題です。
人は誰しも、生まれながらだけでなく、病気や事故、何らかのきっかけで障がいのある体になる可能性があります。障がいにより社会から排除されることが、果たして幸せでしょうか。
自分や自分の大切な人が当事者になったと思い、考えてみてください。「お互いの優劣や価値観」で差別するのではなく、共に助け合って生きていくことができる関係、それこそが心豊かな人権社会につながるのではないでしょうか。

問合せ:市人権・同和対策課
【電話】52-1174

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