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自治体の皆さまへ

医療費適正化×適正服薬 薬と正しく付き合いましょう(1)

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福岡県朝倉市

10月17日~23日は薬と健康の週間です。

朝倉薬剤師会 会長:新留(にいどめ)孝一さん
「おくすり手帳を1冊に」
「私たち薬剤師は身近な健康の相談役」

◇調剤費(約8億7000万円)
前年度比約4000万円減
令和3年度はコロナ感染症による受診控えの反動で医療費全体が大幅増。その影響もあり令和4年度は減少しています。

市国民健康保険の令和4年度総医療費は約57億円。うち調剤費は約8億7000万円。薬の使い方を正しく理解し、適正服薬を心がけ、自身の健康増進に努めることが医療費適正化にもつながります。
薬の正しい飲み方や注意すべき点、おくすり手帳やかかりつけ薬局の重要性について、朝倉薬剤師会会長の新留孝一さんに伺いました。

■服薬方法で気を付ける点は?
複数の薬を使用している場合、飲み合わせが悪いと薬が効きすぎてしまったり、反対に薬の効果が十分に得られないことがあります。薬との飲み合わせが悪い食品やサプリメントもあります。次のことに注意しましょう。
・すべての薬は、「主作用」と「副作用」を併せ持っています。
・薬は、適切な血中濃度(効き目が表れる範囲)になるように、それぞれ用法・用量が決められています。
・自分に合った薬を正しく使うことで副作用の危険性を減らすことができます。
・1つずつでは問題ない薬でも、飲み合わせによっては予想できない副作用が出ることもあります。

■ポリファーマシーになるのはなぜ?
複数の医療機関を受診することにより、処方された薬全体の把握や管理が難しくなることから、それぞれで似た成分の薬を処方されることがあります。特に高齢者は、生活習慣病などが重なり、必要な服薬が増えて、ポリファーマシーになりやすいです。75歳以上では、4人に1人が平均7種類以上の薬を服用しています。服用する薬が6種類以上になると、薬が効きすぎてしまったり、反対に薬の効果が十分に得られないことがあります。

■薬を減らすことはできますか?
主治医に相談して、1日3回服用の薬を、1日1回や2回服用の製剤に変えることもできます。また、配合錠(2種類以上の薬を配合)にすると、薬の数が減り、薬代が安くなることがあります。
自分の判断で薬を減らしたり、中断したりするのは止めましょう。

■多剤服用による副作用は?
高齢者に起こりやすい副作用は、ふらつき・転倒・物忘れ・せん妄・抑うつ・食欲低下・便秘・排尿障害などです。ふらつき・転倒は、薬を5種類以上服用している高齢者の4割以上に起きているという報告もあります。また、高齢者になると骨がもろくなるので、転倒による骨折をきっかけに寝たきりになり、寝たきりが認知症を誘発する可能性があります。

■薬が重複しないためには?
「おくすり手帳」を上手く活用してください。次のことがポイントです。
・手帳は医療機関ごとに作成するのではなく、一人1冊にまとめましょう。
・薬を服用してからの体調変化や一般用医薬品やサプリメントなども記入しましょう。検査値や残薬、処方変更の理由なども記入しましょう。
・入院時には、必ず手帳を持参するようにしましょう。
・診察時に主治医に手帳を見せましょう。在宅でも同じです。

■リフィル処方箋って何ですか?
症状が安定している患者さんについて、医師が長期処方を可能と判断した場合に発行され、最大3回まで繰り返し利用できる処方箋です。
・1回目は通常通り処方箋発行後4日間、2回目以降は次回調剤予定日の前後7日間に受け取ることができます。
・同一薬局の利用が推奨されています。
・一部の睡眠薬や湿布薬など、投与量に制限があるお薬は対象外です。
メリットとして、通院負担が軽減できます。感染症にかかるリスクも低くなります。
デメリットは、処方箋を自身で保管しておかなければならないこと、診察や検査を受ける機会が減ることです。
リフィル処方箋を受け取っていても、症状の変化により、受診をすすめられることもあります。気になる症状があるなど、必要な場合は医師の診察を受けて下さい。

■セルフメディケーションとは?
自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当することです。
頭が痛い、お腹が痛い、熱があるなどは日常によく起こる症状ですが、それらの陰に重大な病気が潜んでいることもあります。特に、突然生じた症状や今までに経験のない症状には注意が必要です。OTC医薬品を使用するか、医療機関を受診すべきか、判断に迷うときには、薬剤師がサポートします。

■「かかりつけ薬局」を選ぶ時のアドバイスをお願いします。
普段から安心して利用できる薬局を、「かかりつけ薬局」として1つ決めておきましょう。あなたが使用する全てのお薬を一つの薬局で管理することで、複数の医療機関から似た成分のお薬や飲み合わせが悪いお薬が処方されることを防ぐことができます。
身近な健康の相談役として、かかりつけ薬局を探してみましょう。また、おくすり相談バッグやおくすり手帳を活用して医療費の適正化にご協力ください。

・かかりつけ薬局はありますか?
・かかりつけ薬剤師はいますか?
健康サポーターである薬剤師が、あなたの健康づくりのお手伝いをします。どんどん活用しましょう!

問合せ:市保険年金課
【電話】28-7558

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