■小さな親切、大きなお世話
「小さな親切、大きなお世話」
この言葉、実はある漫才師がネタにしたことで世間に認知されたってご存じでしたか?
「誰かのためを思って」という行動意識や気持ちはとても重要なことです。コミュニティやボランティアなど、この意識がなければ成立しない活動に支えられてもいます。
しかし、何事にも限度というものがあり、どれだけ他者を想う気持ちがあったとしても、その好意による言動・行動が、他者にとって必ずプラスになるというわけではなさそうです。
「○○さん、そろそろ彼氏(彼女)作った方が良いよ」。職場や日常生活の中でこのような言葉を聞いたことはありませんか?この言葉の裏には、「彼氏(彼女)がいることで、より幸せになるだろう」という想い(優しさ)があるのでしょう。
しかし、優しさから出た言葉であったとしても、相手の立場や価値観によっては嫌な思いを抱く可能性があるのです。単純に「今はそんなことより、仕事や趣味に没頭したい」と考えている人もいるでしょうし、無性愛者の人であったなら、そもそも他者に対して恋愛感情も性的欲求も抱きません。恋人や結婚という存在に縛られず、1人で生きることを謳歌(おうか)したいという考えを持っている人もいるでしょう。このような価値観を持つ人たちにとっては、恋愛を勧められること自体が「大きなお世話」と感じてしまうでしょう。せっかくの親切心から起こした行動であるなら、相手の立場や価値観に思いを馳(は)せ、気持ちよく受け取ってもらいたいものです。
「小さな親切、大きなお世話」とならないためには、何を心掛けることが大切でしょうか?大事なことは、「他者との適度な距離感を考え、行動すること」です。人には、誰にも踏み込まれたくない「パーソナルスペース」があります。どんなに良い(正しい)ことを言われたとしても、不快に思われてしまうのは悲しいことです。
地域社会において、人を思いやる気持ち、言動は本当に大切なものです。だからこそ、その優しさがきちんと相手に伝わってほしいと思います。
問合せ:市人権・同和対策課
【電話】52-1174
<この記事についてアンケートにご協力ください。>