あさくら歴史散歩

20／29

市内の歴史遺産のロマンを追いかけるシリーズ

■二十九.秋月の乱前夜4
佐賀の乱(佐賀戦争)以降、軽率な行動を控え他の勢力と連絡を取り合うに留めていた秋月党でしたが、状況は急速に変化しました。明治9年(1876)10月24日、熊本の敬神党が熊本鎮台を襲撃します。敬神党は決起の前日に各地へ使者を送り、援軍の要請と同時に決起することを願っていたため、秋月党も支援として党員を送ります。夜襲が功を奏し、一時は敬神党有利な場面もありましたが、兵の数と備品の差は歴然としていたため、敬神党は敗走し、主将太田黒・副将加屋は戦死します。
敬神党敗戦の知らせを持って秋月へ撤退した者や熊本方面からの間者の情報を基に、秋月党内も決起派と慎重派に分かれました。その最中、決起派の益田静方は血気盛んな若手を中心に意見をまとめ、今村百八郎を首魁に立て決起することとしましたが、秋月党の勢力だけでは戦力不足であると判断しました。益田は佐賀の残兵を援軍とするため、10月26日に佐賀を訪ねますが、準備不足を理由に断られました。この動きは警察の知るところとなり益田は佐賀で捕縛されました。

問合せ：市文化・生涯学習課
【電話】28-7341