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シリーズ人権 菊池恵楓園を訪問して

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福岡県朝倉市

隣保館係では、毎年、人権に関するテーマを設け、約半年をかけて研究、パネルを作成し、12月に開催する「いのち・愛・人権」展で掲示しています。
今年度のテーマは「ハンセン病問題」でした。学習を深めるため、ハンセン病療養所である熊本県の菊池恵楓園を訪問しました。ここは現在、全国に14カ所ある療養所の中でいまだ最も入所者数が多く、約130人が生活しています。
療養所には歴史資料館が併設され、ハンセン病に関するさまざまな資料が展示されており、無料で見学できます。その資料の中で特に印象に残ったものは、平成15年に起きたハンセン病元患者に対しての「宿泊拒否事件」です。
当時、大々的に報道されたため、覚えている人も多いかと思います。その事件を受けて、元患者に対する多くの誹謗・中傷の手紙やはがきが届きました。その中には「ホテルは謝っているのに文句を言うな」「人権より常識とデリカシー」「あまりいい気になるな」など、イラストとともに、見るに耐えない罵詈雑言が記されていました。
一方、「この件は、同じ人間のしたこととして、とてもはずかしい」と元患者をねぎらい、また励ます内容の手紙も多く届きました。
ハンセン病は戦後すぐに薬で治せるようになったにも関わらず、強制隔離政策は、平成8年の「らい予防法」廃止まで続きました。
元患者は、誤った政策で人権侵害を受けていたにも関わらず、偏見や差別を助長する人々や社会によってさらなる追い打ちを受けました。これは誤った情報、偏った意見に基づくいじめやネットへの差別書込み、ヘイトスピーチなどにも通ずることだと考えます。
私たちは、ハンセン病の歴史から正しく物事を理解し、二度と同じ過ちを繰り返すことなく、さまざまな偏見や差別を生み出さないように努めなければなりません。
※ハンセン病問題については、12月に配布した『令和7年人権啓発冊子カレンダーひらけ未来に(6月)』もご覧ください。

問合せ:市人権・同和対策課
【電話】28-7861

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