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自治体の皆さまへ

朝倉市国保の安定した財政運営のために~一人ひとりにできること~(1)

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福岡県朝倉市

医療の高度化や高齢化の影響などで、日本の医療費は年々上昇しています。朝倉市国民健康保険(以下、国保という)でも、1人当たり医療費は上昇傾向にあります。
国保の疾病構造や特徴を知り、日頃から予防に取り組むことで、健康なからだを維持し、健康寿命を延ばすことが可能になります。自身と家族の明るい未来のために、知って、動いて、変えてみませんか。

■現状1 被保険者の減少と医療費の増加
国保には1万1422人(令和5年度平均)が加入しています。近年は、社会保険の適用拡大や高齢世代の後期高齢者医療制度への移行などにより、加入者が年々減少しています。
しかし、医療費が高くなり始める65歳以上の被保険者が占める割合が多いことから、1人当たり医療費は年々上昇し、令和5年度は48万5365円と高い水準になっており(図1)、医療費適正化に向けて積極的に取り組まなければならない状況が続いています。
医療費増加の背景として、医療の高度化、高齢化の進展、生活習慣病の増加などが挙げられます。

■現状2 入院患者が多い
国保の入院者は国・県・同規模自治体と比べても多い傾向にあります。入院が占める割合は総件数のわずか2・67%ですが、費用は半分近くを占めています(表1・図2)。1件当たりの入院費が高いことは、重症化し手術を伴う入院や長期間の入院が増えていると考えられます。
手術や長期入院は、医療費の負担はもちろん、身体への負担も大きくなります。退院後もリハビリのために通院する必要があるなど、時間的・身体的制約を受けることにもなります。

◇表1:令和5年度1000人当たりの入院患者数

◇図2:令和5年度入院・外来の件数と費用の割合

■現状3 生活習慣病疾患が多い
国保の外来におけるレセプト件数と医療費額を見ると、どちらも生活習慣病疾患が上位を占めており、多くの人が治療中であることがわかります(表2・3)。
誰でもかかる可能性のある生活習慣病は「サイレントキラー」とも呼ばれ、気付かないうちに進行し、症状が現れるときには重症化している怖い病気です。しかし、早期に発見し、生活習慣を見直すことで進行を遅らせたり、重症化を防ぐことができる病気でもあります。
早期に発見できた場合は継続的に受診し、治療していくことが重要です。

◇表2:外来レセプト件数(令和5年度)

◇表3:外来医療費(令和5年度)

■受けよう健診、知ろう自分のからだ
公的医療保険に加入している40歳~74歳の人は特定健診を受診できます。
特定健診:生活習慣病の発症や重症化を予防するために行う健診
特定保健指導》:活習慣改善を目的とした指導。特定健診結果で各種疾病の発症リスクが高いと判断された場合に受けることができます。
特定健診・特定保健指導を受けることで生活習慣病疾患の早期発見・早期治療が可能となり、負担する医療費も抑えられる傾向にあります(図3)。

◇図3:特定健診の受診有無と生活習慣病1人当たり医療費(1カ月)の関係(令和5年度)

■国保特定健診受診率は40・2%
厚生労働省は、市町村が行う特定健診の受診率を「令和11年度までに60%」と目標設定しています。令和5年度の国保の受診率は40・2%で、目標に届いていない状況です(図4)。
来年度の健診は4月から始まります。3月中旬頃、市健康課より送付される「朝倉市住民健診のご案内」にて詳細を確認してください。国保加入者で、前年度中に市国保特定健診を受けた人は無料で受けられますので、ぜひ受診しましょう。

【出典・参考】朝倉市国民健康保険事業年報(図1・図2)、KDB「地域の全体像の把握」(表1)、KDB「疾病別医療費分析(中分類)」(表2・表3)、KDB「健診・医療・介護データからみる地域の健康課題」(図3)、朝倉市特定健診結果データ(図4)

問合せ:市保険年金課
【電話】28-7558

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