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自治体の皆さまへ

年頭のごあいさつ

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福岡県添田町

■恭賀新年
添田町長 寺西 明男

◇新春あけましておめでとうございます
令和も、早いもので6年目になりました。添田町も、町政施行100年を契機に再構築をしようと、「みんなでまちづくり」を合い言葉に「いつまでも健康で住み続けられるまち、住みたくなるまち」を目指して進んで来ました。令和6年、今年は町制施行113年目の年になります。人口減少、少子高齢化の波は続いています。添田町も大きなうねりをもろに受けています。しかし、その中で住民の皆さんに、「みんなでまちづくり」の合い言葉を認識して頂き、徐々に実行して頂いています。津野地区での小さな運動会、BRTを契機に基幹駅での周辺住民の皆さんのおもてなし、これまでもいろいろ行っている方々の輪が広がり認識されようとしています。
「住んでいる人が楽しく生活していなければ人は来ないよ」ある人が言っていました。まさしくその通りです。目の前の厳しい現実の中では、滅入るばかりですが、今年は「辰年」、大空に舞い上がりたいと思います。
「アルベルゴ・ディフーゾ」というイタリアで始まった取り組みがあります。それを紹介した本の一部を、新年の話題として紹介します。この取り組みのきっかけは次のような現状を憂いてからのものだったそうです。イタリアは、丘陵地を含めれば中山間地が国土の約7割を占めている、森や水に恵まれた国です。中山間地では、一度、人の手が入った山を荒らさないためには、人が手をかけ続ける事が大切であり、枝打ちをし、下草を刈り、広葉樹を増やし、森を育てていくことが必要です。荒れた山は里山に獣害をもたらし、保湿力を失って下流域の水被害を大きくします。コンクリート護岸やダムは一種の対処療法に過ぎない。気候変動にも悩まされている今こそ、山村で連綿と続いてきた人々の暮らしに目を向ける必要があるとのことからです。
人が山村に暮らし続けること。林業や農業といった森に手をかけるなりわいが存続していく、そのことが、水や酸素の供給を、森や川に依存している、都市住民の暮らしの存続にも不可欠なのです。そんな中で、山村に増えていく空き家を改修し、これを宿泊施設にすることで、村と都市の交流を図ろうというのが、イタリア語を組み合わせた造語の「アルベルゴ・ディフーゾ」です。村に点在する古民家の宿を拠点として、周囲の自然や農村の暮らしそのものを楽しむと言うもので、日本語では「分散型の宿」と表現しています。
形態は、空き家を宿泊するだけのものに改修し、レセプション(ホテルで言うフロント)は村に一つ、そこからそれぞれの宿泊所を案内する、食事は村の食堂やバール(イタリアのカフェ、コーヒー、酒などを出す店)を利用するなどすると言うものです。改修もこれまでのものを出来るだけ生かす。煤すすだらけの壁、テレビも冷蔵庫も電話も無い、インスタ映えとは無縁の料理、それが人を魅了していると言います。
全国このような場所が少しずつ取り組まれているようです。県内には八女市福島にまだ一棟だけのようですが、NIPPONIA HOTELがあります。これからの新しい観光になるのではと興味を持ちました。廃村・空き家問題の救世主となるか今後も勉強してみたいと思います。今年も、皆さんと共に頑張ります。どうか、良い年でありますように。

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