■形成外科 下肢の傷 ~治りにくい足の傷~
顔面や手など下肢以外で傷ができる原因のほとんどは外傷ですが、下肢は外傷以外にも様々な原因で傷ができます。また、下肢は血行が悪いため傷が治りにくく、傷が閉鎖しても足底には歩行によって体重という負荷がかかるため、傷が再発する可能性が高い部位です。
このように、下肢は他の部位とは異なり、治療を困難にする要件が多数備わっています。
◇多岐にわたる原因
下肢に傷ができる原因として、外傷以外にまず血行障害があります。血行障害にも動脈性、静脈性、リンパ行性の障害があり、血行障害を生じる原因として、動脈硬化や糖尿病、膠原病などの内科疾患があります。
その他、胼胝(いわゆる“たこ”)や陥入爪、白癬(いわゆる“水虫”)、褥瘡(いわゆる“床ずれ”)でも傷ができるほか、下肢に限らず他の部位でも生じますが腫瘍なども傷ができる原因です。
◎下肢とは股関節から足指のまでのことを指すよ
◇早期に受診を
傷の原因が、動脈硬化や糖尿病、膠原病、腫瘍などであれば、これらの疾患が非常に重篤な状態ということになりますので、早期にそれらの疾患の治療が必要です。軟膏治療(軟膏を患部に塗布する治療)では治癒せず、外科的アプローチを選択する場合もあります。
また、下肢の傷はなかなか治らず、傷が感染して重篤な状態になることもしばしばあります。そのため、下肢に傷ができた時は注意が必要で、早急に医療機関を受診し、形成外科や皮膚科などでの診療を受けることが重要です。
◎動脈硬化や糖尿病により血行障害を生じると傷の治りが遅くなったり、その傷から細菌感染を起こしやすくなったりするんだ
◇スタッフ
柳澤 明宏
部長 平成元年卒
[主な所属学会及び取得資格]
・日本専門医機構認定形成外科専門医
・日本形成外科学会形成外科領域指導医
・日本熱傷学会熱傷専門医
・日本創傷外科学会創傷外科専門医
・皮膚腫瘍外科分野指導医
▽ひとこと
形成外科ならではの手技を使用して治療にあたっています。
田川地域などの多数の先生方からのご紹介を頂き、悪性腫瘍を含め 皮膚・皮下腫瘍や手足の外傷、熱傷、褥瘡等の治療を行っています。
「手のけが」や「やけど」を受傷した時「床ずれ」ができた時は、形成外科にご相談ください。
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