■CHECK 3 他の市と比較すると最近の傾向は
一部改善はしているが、依然厳しい状況
客観的に財政を比較、判断できる各指標は、次のとおりです。
「経常収支比率」は90.6パーセントで、前年度から2.9ポイント悪化しています。一般的に70〜80パーセントが適正水準とされており、依然として高い水準です。
これは市が自由に使える財源のほとんどが経常的な経費に充てられ、それ以外の臨時的な事業に財源が使えない(財政が硬直化している)ことを示しています。
財政力の強さを示す「財政力指数」は、前年度から0.1ポイント悪化し、0.55となっています。
市の借金返済に係る財政負担の度合いを見る「実質公債費比率」は、前年度から0・6ポイント悪化し6.4パーセントとなっています。
市が将来負担すべき負債の度合いを見る「将来負担比率」は49.0パーセントとなり、前年度から12.8ポイント改善しました。
財政調整基金に約15億5千万円を積み立てたことが改善要因です。
市の財政指標を福岡県内の他の市と比較すると、経常収支比率は前ページのグラフ(5)のように平均よりやや優れていますが、「財政の硬直化は進行」、財政力指数は前ページのグラフ(6)のように平均よりやや劣り、「財政力は弱め」、実質公債費比率、将来負担比率については前ページのグラフ(7)、(8)のように平均より高く、「将来の負担は大きめ」ということになります。
◇経常収支比率他市との比較-グラフ(5)
経常収支比率…
自由に使え、経常的に見込める収入(市税、普通交付税など)に対し、使い道が決まった経常的な支出(人件費、借金返済費、扶助費など)の割合を示します。前年度に比べ2.9ポイント悪化しました。
◇財政力指数3か年平均他市との比較-グラフ(6)
財政力指数3か年平均…
一般的に必要な経費に占める自前での財源調達の割合を示すものです。この数値が1に近い、あるいは1を超えるほど、市が自ら調達できる財源の割合が高く、財政力が強いことを示します。前年度に比べ0.1ポイント悪化しました。
◇実質公債費比率3か年平均他市との比較-グラフ(7)
実質公債費比率3か年平均…
市の公債費(借金返済に充てる費用)の財政負担の割合を示す指標です。下水道事業や水道事業など全ての事業を含む公債費の割合です。18パーセントを超えると、市債発行時に国の許可が必要になります。前年度に比べ、0.6ポイント悪化しました。
◇将来負担比率他市との比較-グラフ(8)
将来負担比率…
将来一般会計で負担することが見込まれる金額の標準財政規模に対する割合を示したものです。市だけでなく、市が出資している第3セクターなどに対する負担も含みます。350パーセントを超えると財政健全化計画の策定が必要です。前年度に比べ、12.8ポイント改善しました。
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