■東蓮寺藩(のち直方藩)の歴史
第2回 関連文化財の紹介
前回に続き、いつでも目にすることができる藩政時代の文化財を紹介します。
○雲心寺の藩主墓碑
山部の雲心寺(臨済宗大徳寺派)本堂裏手の墓地の一番高いところに東蓮寺藩初代藩主高政公と殉死した四名の若い側近の墓があります。
一段下がったところに二代藩主之ゆきかつ勝公の墓があります。逝去の直前に幕府から殉死禁止令が出されたため殉死者はいません。
更にその一段下に直方藩四代藩主黒田長清公の二人の正室の墓が並んでいます。豊前国中津藩の姉妹の姫君でした。
直方藩三代藩主長寛公は福岡藩四代藩主綱政公となり、四代藩主長清公は廃藩となったため、直方には墓がありません。
○西徳寺の山門
山部の西徳寺(浄土真宗本願寺派)の山門は御館山にあった藩主館の門を廃藩後に移築したものとされ、藩政時代の数少ない遺構として直方市有形文化財に指定されています。
○多賀神社の宝永の鳥居
鉄道線路を渡る直方駅側の陸橋の手前の鳥居は宝永四(1707)年の完成で「宝永の鳥居」と呼ばれます。
右側の石柱に寄進者の名前が「黒田長清」と刻まれています。
○近津神社の長清公の歌碑
頓野の近津神社の拝殿の右側にある極めて古い歌碑です。
風雅を愛する文人大名であった長清公が近津神社の紅葉見物の際に詠まれた歌碑が刻まれています。
文 榊正澄
文化財に関する問合せ:文化・スポーツ推進課社会教育係
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