■差別のない明るい社会を築くために
県では、毎年7月を「同和問題啓発強調月間」と定めています。
部落問題(同和問題)は、日本社会の歴史的過程で形づくられた身分差別により、国民の一部の人々が、長い間、生活のさまざまな場面で差別を受けてきた問題で、今もなお続いており、今この瞬間も差別に苦しんでいる人がいます。
日本国憲法では「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」(第14条)と法の下の平等をうたっています。また、本市では令和2年12月に「直方市部落差別をはじめあらゆる差別の解消の推進に関する条例」が施行され、その中では、人権課題解決のための方策として人権教育および啓発の重要性が説かれています。
しかしながら、部落問題(同和問題)をはじめとするさまざまな人権問題の発生は依然として後を絶ちません。また、令和3年に実施された福岡県民意識調査の中で「現在の日本社会において、あなたは人権が尊重されていると感じますか?」の問いに「人権が尊重されていると感じる」と答えた人は19.7%と少数であり、全体の63%の人が「いちがいにはいえない」と回答し、多くの人が日本の社会は必ずしも人権が尊重されているとはいえないと感じているようです。
人権が尊重される社会づくりを目指し、部落問題(同和問題)をはじめとするさまざまな差別を解決するためには、一人ひとりの学び、気づき、行動が必要です。人にはそれぞれ違う価値観があり、さまざまな背景や事情を抱えて生きています。そこに生きる人々が「あなたも私も大切でかけがえのない存在である」と認め合い、人権問題を自分の課題として捉え、真剣に取り組んでいくことが大切です。
本市では、一人ひとりの人権が尊重され、誰もが幸せに、そして人間らしく生きられる社会を実現するための取り組みを行っています。みなさんもともに人権の学びを深めていきましょう。
■同和問題講演会
同和問題に対する正しい認識と理解を深めるため、県と市がそれぞれ講演会を開きます。
◇県主催
日時:7月20日(土)午後1時30分~3時
場所:クローバープラザ大ホール(春日市)
講演:「部落問題の今と、これからの社会づくり」
講師:BURAKU HERITAGEメンバー/学校DEandIコンサルタント 武田 緑(たけだ みどり)さん
◇直方市・直方市教育委員会主催
日時:7月24日(水)午後2時~4時
場所:ユメニティのおがた大ホール
演題:人権問題・部落差別問題を「今・ここ・自分事」として考える
講師:公益財団法人 福岡県人権啓発情報センター館長 谷口 研二(たにぐち けんじ)さん
■人権問題に関するDVDなどの視聴覚教材の貸し出し
市民・人権同和対策課では、無料で人権問題に関するDVDなどの視聴覚教材の貸し出しをしています。グループやご家庭での学習に活用し、人権感覚を高めましょう。
申込・問い合わせ:市民・人権同和対策課
【電話】25-2105
■人権標語と作文
市内の小中学校の児童・生徒から、人権についての標語と作文を募集しました。今年は、標語76点、作文15点の応募の中から次のとおり入選作が決まりました。児童・生徒が自分自身の心にある「人権」についてありのまま表現したものです。これらの標語は、市内の小中学校と公共の施設、合わせて25か所に啓発標語看板として、7月から2か月間掲示します。
※作品は本紙をご覧ください。
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