文字サイズ
自治体の皆さまへ

新春対談「未来を拓く」福岡ソフトバンクホークス監督 小久保裕紀×高島市長

3/39

福岡県福岡市 クリエイティブ・コモンズ

小久保裕紀監督(52)は、福岡ソフトバンクホークス2軍をウエスタン・リーグ優勝、そして日本一に導き、2023年秋、1軍監督に就任しました。
ホークスの本拠地・福岡PayPay(ペイペイ)ドームに隣接する「ボス イーゾ フクオカ」内の王貞治ベースボールミュージアムで、小久保監督と高島市長がリーダー論や新年の抱負などを語り合いました。

◆やるからには全力で勝ちにいきます
市長 2年間の2軍監督を経て1軍監督に就任されました。今の心境を聞かせてください。

小久保 ヘッドコーチとしてホークスに戻ってきた3年前よりも、すんなりチームに溶け込めている気がします。2軍で経験を積んだおかげで、コーチや選手との距離感がつかめるようになりました。

市長 監督業には、プレーヤーとは違った葛藤や苦悩があるのではないでしょうか。私もリーダーとして組織を束ねることの難しさを痛感しています。監督として意識していることはありますか。

小久保 私は自分で全てをやりたいタイプなのですが、伝えたいことを選手に直接言わず、必ずコーチを介して伝えるようにしました。コーチと密に連携を図ることでそれぞれに責任感が生まれ、チーム全体の成長につながったと思います。2軍監督としての2年間で、選手を惑わせないこと、認識を統一すること、課題を明確にすることの大切さに気付かされ、私にとって貴重な経験になりました。

市長 ダイエー時代から数えると、ホークスに選手として15年在籍されました。

小久保 今でこそ常勝軍団と呼ばれていますが、私が入団した頃は万年Bクラスで、西武ライオンズ戦では、西鉄時代からのライオンズファンが客席の大半を占めていました。球場が、ライオンズカラーの水色から少しずつホークスカラーに変わっていく過程を見てきました。

市長 ダイエー時代、王監督が就任され、その後キャプテンとしてチームを引っ張る姿が印象に残っています。

小久保 王監督に「若手の手本になれ」と厳しく言われました。当時23歳で、自分も若手だったのですが(笑)。ロッカーでも気を抜かず、常に隙を見せないよう教育されました。
市長 王監督の言葉が野球人生を大きく変えたそうですね。

小久保 自分の失策について報道陣に問われ、「俺の実力なんてこんなもん」と投げやりな発言をしてしまい、翌日のスポーツ紙にそのまま掲載されました。すぐ王監督に呼び出され「ファンは夢を買っているんだ。ファンをがっかりさせるような言動は絶対にするな」と怒鳴られました。プレーだけ頑張っていればいいと勘違いしていた自分を、軌道修正してくれた大きな出来事です。それ以来、プロとしてファンにどう見られているかを常に意識し、何事も全力で取り組むようになりました。

市長 ホークスは、昨シーズンを3位で終え、3年間リーグ優勝から遠ざかっています。どんなチームにしたいですか。

小久保 私が松中、井口、城島たちと共に王監督から学んだことをしっかり選手たちに伝え、「王イズム」を継承していきます。柳田や近藤をはじめとする1軍の選ばれし26人が手本となり、その懸命なプレーを1軍から4軍まで組織全体に浸透させたい。古き良きものは残しつつ、量より質にこだわり、最先端技術を駆使した練習で、若い選手たちを鼓舞していきます。

市長 小久保監督にとって、福岡の街の魅力はどんなところですか。

小久保 やっぱり空港が近いところでしょうか。野球選手に限らず移動の多いスポーツ選手は、大いに福岡の恩恵を受けています。食事もおいしいですし、コンディションを保つには絶好の場所です。2024年も最後の最後まで、福岡の地で市民の皆さんを楽しませられるよう、一丸となって戦います。

市長 ホークスが元気だと街に活気が出ます。これからも一緒に福岡の街を盛り上げていきましょう。

◆読者プレゼント
小久保裕紀監督のサイン色紙を3人にプレゼントします(4面参照)。

小久保裕紀(こくぼひろき)
和歌山県出身。青山学院大学から1994年に福岡ダイエーホークスに入団。413本の本塁打を量産した1本足打法で、打線の要としてチームを支え、抜群のリーダーシップでホークスをリーグ優勝5回、日本一に3回導く。松中信彦選手とのコンビはMK砲と呼ばれ、共に本塁打を放った試合は高い勝率を誇った。2004年、巨人に移籍。2007年に福岡ソフトバンクホークスに再び入団。2012年に引退後、日本代表・侍ジャパンの監督を務める。2021年にホークス1軍ヘッドコーチ、2022年から2軍監督を経て、1軍監督に就任。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU