『ハンセン病への偏見や差別をなくそう』
ハンセン病患者への国の誤った強制隔離政策の廃止からすでに30年近くたち、国が隔離政策の誤りを認めて20年以上が経過しました。それでも、患者・元患者やその家族は、今もなお偏見や差別に苦しんでいます。
厚生労働省が昨年12月に行った全国規模の意識調査では、9割の人がハンセン病を知っており、6割の人が遺伝する病気ではないと正しく答えました。しかし、元患者の家族との結婚については、2割の人が「抵抗を感じる」と答えるなど、偏見や差別意識は依然として社会に残っています。
国立感染症研究所によると、全国14の療養所で暮らす元患者は約810人、平均年齢は87.9歳です(昨年5月1日現在)。
現在の日本の衛生状態では、感染しても発病することはほとんどなく、投薬治療で後遺症もなく治るようになっています。それにもかかわらず、「恐ろしい病気」というイメージはいまだに払拭されておらず、退所した元患者が再び入所するケースも少なくありません。介護サービスを受けたくても、偏見を恐れ積極的に利用できない場合もあると聞きます。
感染症を巡る偏見や差別については、世界で感染が拡大した新型コロナウイルスでも、患者と接する医療関係者とその家族が中傷されたり、忌み嫌われたりするといった差別的な出来事が、ここ数年相次ぎました。
根拠のない風評に惑わされないよう、正しい知識を持つことが重要です。ハンセン病にかかわらず、人権問題を考える上で共通した課題といえます。
問い合わせ先:市人権啓発センター
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