昭和59年3月、道路拡張工事のために伐採される予定だった桜に、一人の住民が「最後の花を咲かせて」と思いを託して短歌を掲げました。すると、共感の歌が桜に次々と掲げられ、その中には当時の市長の返歌もありました。その後、地域住民の思いは届き、工事計画が変更され、桜は伐採を免れました。その桜は現在、桧原桜公園で、多くの住民に親しまれています。
そのような桧原桜のエピソードを後世に語り継ぐため、「さくら」をテーマに心と心の触れ合いなどを詠んだ短歌を募集する「桧原桜賞」を平成21年度に創設しました。記念すべき10回目となる今回は、これまでで最多となる5861首が全国から寄せられ、24首が入賞作品として選ばれました。その中から市長賞に選ばれた作品を紹介します(下記、敬称略)。
一般の部の市長賞を受賞した小池ひろみさんは「普段から短歌の素材になりそうなものを探しながら生活していると、世界の見え方が少し変わる気がします。今後も広い視野を持って歌を詠んでいきたいです」と話しました。
中学生の部で市長賞を受賞した本田悠哩(ゆうり)さんは「桜の花びらの形がギターピックに似ていたのを見て、この短歌を詠みました。自分なりの言い回しを考えて詠めたのでよかったです」と話しました。
◆表彰式と記念ステージを開催
3月24日(日)に、南市民センター文化ホールで、表彰式と記念ステージを開催します。
▽表彰式
西花畑小学校、花畑中学校放送部、福岡春日岳風会(がくふうかい)が、受賞作品を詩吟で紹介します。また、寺田蝶美(ちょうび)さんによる筑前琵琶の演奏もあります。
日時:午前10時30分~11時30分
定員:600人
申し込み:不要
▽記念ステージ
歌集「サラダ記念日」作者の俵万智(たわらまち)さんをゲストに招き、桧原桜賞選考委員長で歌人の桜川冴子さんと現代短歌の魅力について対談します。歌人の彩音(あやね)まさきさんによる桜にちなんだ短歌の朗読も行われます。
日時:午後1時~3時20分
定員:先着600人
申し込み:区ホームページ(「桧原桜賞」で検索)から申し込み
※作品は本紙をご覧ください。
問い合わせ:区企画振興課
【電話】092-559-5064【FAX】092-559-5014
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