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久保記念館
「歩・歩・歩(さんぽ)・会」
奥永 茂晴
九州帝国大学の前身、京都帝国大学福岡医科大学の初代耳鼻咽喉科教授だった久保猪之吉(いのきち)(1874~1939)は、日本で初めて内視鏡手術を行った医師で、福岡の文学界に大きな功績を残した歌人です。
九州大学病院キャンパス(馬出三丁目)の敷地内には、久保猪之吉の偉業をたたえる「久保記念館」があります。昭和2(1927)年に門下生によって耳鼻咽喉科教室の創設20周年を記念して建てられました。
日本初の内視鏡手術で使われた器具を含む医療器具や長年の医療記録、医学標本、文芸雑誌『エニグマ』などが収蔵される他、妻のより江夫人、患者であった長塚節や斎藤茂吉、与謝野晶子など当時の文化人の作品も展示されています。(現在、収蔵品は一般公開されていません。)
記念館の周辺には、昭和9(1934)年に、彫刻家・朝倉文夫が制作した久保猪之吉の胸像が建てられています。また、猪之吉がドイツ留学中に詠んだ望郷の歌『霧ふかき南独逸(ドイツ)の朝の窓おぼろにうつれ故郷の山』の歌碑もあります。
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