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香椎宮境内の文学碑
「歩・歩・歩(さんぽ)・会」
田中 啓子
明治41年に福岡市で生まれた九州俳壇の重鎮、小原菁々子(おはら せいせいし)の句碑が香椎宮しょうぶ池のほとりにあります。
『綾杉のこぼす神威(しんい)の露涼し』(綾杉を濡らす格別に澄んで清らかな夏の朝露)
平成3年、82歳の菁々子を敬愛する東区・粕屋・宗像の俳人達が「後世の俳句愛好家の手本に」とこの句碑を建立しました。
菁々子は河野静雲(こうの せいうん)と高濱虚子(たかはま きょし)を師として研さんを積んだ後、多くの名句を詠み、生涯かけて伝統俳句の指導と普及、振興に努めました。福祉活動にも尽力し、多くの人に慕われた、地域を代表する俳人です。
香椎宮の境内には、高濱虚子門下の阿波野青畝(あわの せいほ)の句碑もあります。
『爽やかに宿祢(すくね)掬(く)みけむ不老水』(長命を保った武内宿禰がすくったであろう秋の澄みきった不老水)
青畝が平成元年、90歳の時に詠んだ句です。
明治・大正時代の文豪、夏目漱石は明治29年に香椎宮を参拝し、次の句を詠みました。
『秋立つや千早ぶる世の杉ありて』
香椎宮の御神木の綾杉の下には新古今和歌集の歌碑があります。
境内の文学碑や史跡を巡り、文学散歩をお楽しみください。
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