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特集 通いの場(1)

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福岡県筑後市

■地域が支える「通いの場」
筑後市には、「住み慣れた地域でいつまでも元気に暮らしたい」と平成7年10月6日に誕生した久富地域デイサービスをはじめ、今ではさんかく塾や足腰ぴんしゃん塾などを含め77カ所の「通いの場」が存在します。このように、地域が主体となって運営する「通いの場」は、筑後市の宝です。

●知っていますか?「通いの場」
高齢化が進む中、「通いの場」は介護予防に非常に効果的であると全国的にも注目されています。
通いの場は、地域の住民同士が気軽に集まって、一緒に活動内容を企画したり、ふれあいを通して「生きがいづくり」「仲間づくり」の輪を広げたりする場所であり、地域の介護予防の拠点となっています。

●介護予防が健康寿命を延ばすカギ
加齢とともに心身の機能が低下し、「健康な状態」と「介護が必要な状態」の中間にあることを「フレイル」といいます。
フレイルは、筋力の衰えによる運動機能の低下などの「身体的要因」、うつ症状や認知機能の低下による「精神・心理的要因」、外出の機会が減り社会との接点がなくなるなどの「社会的要因」の3つの要因が重なることで引き起こされるといわれています。
フレイルが進行して介護が必要な状態になると、元の健康な状態に戻ることは難しくなります。しかし、フレイルの段階で対策をとれば、健康な状態に戻ることが可能です。
※図1参照。
市は、健康寿命を延ばすフレイル対策の一つとして「通いの場」への取り組みを進めています。

●通いの場が効果的な理由
通いの場に行くためには、まず日にちや時間を確認し、身だしなみを整えてから、自分で公民館などへ出向きます。会場では、体操やレクリエーションなどを行い、人との会話や食事を取りながら交流を深めます。
このような一連の活動は、フレイルが起きる3つの要因(身体的要因、精神・心理的要因、社会的要因)の改善につながるため、通いの場に参加し続けることは、認知症予防や介護予防に非常に効果的です。また、地域の人と顔見知りになることで孤独や孤立の解消にもつながります。
そこで市は、九州大学の研究に参加し、通いの場の効果検証を行いました。
同程度の健康状態にある、通いの場に「参加した人」と「参加しなかった人」を無作為に抽出し、比較したところ(さんかく塾=2016年から3年間、地域デイサービス=2018年から4年間)、通いの場に参加した人は、参加しなかった人に比べて介護が必要な状態(要介護認定を受けている状態)になりにくいことが確認されました。
※図2・図3参照。

▽[図1]フレイルは改善することができる
健康
↕ この段階であれば健康な状態に戻ることができます。
フレイル
↓ 元の健康な状態に戻ることが難しくなります。
要介護
(フレイル対策が大切ま~る!)

▽[図2]さんかく塾の効果(調査対象者167人)
※75歳以上。

(通いの場への参加で、要介護認定を受けた人が半分に減ったよ!)

▽[図3]地域デイサービスの効果(調査対象者256人)

通いの場への参加で、要介護2以上の人が半分以上減ったよ!

◆「通いの場」利用者の声を聞いてみました
▽寺崎喜惠子さん
月2回の楽しみです。家に居るとテレビばかり見てしまいがちですが、通いの場に来ると友だちが増えます。昼食もみんなで食べるとおいしいですよ。大谷短期大学の学生さんとの交流などもあり元気が出ます。

▽横溝洋子さん
10年以上通っています。以前は地域のお世話をしていて、今度は自分がお世話になっています。通いの場で運動している人はみんな元気で、楽しみに通っています。この場所があって本当に良かったと思っています。

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