市は、公共交通の維持・存続を図り、都市の活力を維持し良好な住環境を保つため、持続可能な公共交通ネットワークの構築に取り組んでいます。
前回は、「筑後市地域公共交通計画」策定の経緯などを紹介しました。今回は、筑後市の公共交通を取り巻く現状や課題を掘り下げます。
■第2回目「公共交通を取り巻く現状と課題」
▽現状と課題1 生活利便施設の拡散
市中心部の開発状況は、JR羽犬塚駅を中心とした市街地形成ではなく、バス路線から離れた郊外の沿道にスーパーやドラッグストアなどの生活利便施設が分散していて、公共交通でのアクセスが困難な状況となっています。
「筑後市地域公共交通計画」策定時に実施した市民アンケートの結果では、市内を運行する路線バスへの不満点として「行きたい方向に路線がない」「乗りたい時間に運行がない」「運行本数が少ない」などが挙げられており、利用者の移動ニーズと、バス路線網やダイヤとの間に不一致が生じていることが分かりました。
・行きたい方向に路線があれば、バスを利用したい
▽現状と課題2 交通弱者の増加
人口減少や少子高齢化などによる公共交通利用者の減少に伴い交通弱者が増加し、移動手段の確保に対する不安が高まっています。
本市でも、令和3年に158人だった運転免許証自主返納者数は、令和5年には205人へと増加。さらに、前述の市民アンケートで、18歳~29歳の若い世代でも、「学校や駅まで家族に送迎を依頼している」と回答する割合が高く、家族に送迎の負担が生じていることが分かりました。
・免許証を返納したけれど、健康のためにも、本当はもっと
・毎日の送迎は大変。公共交通があれば良いのだけれど…
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●JR羽犬塚駅周辺循環バスの検討~新たな公共交通を考える~
市では、人口減少や少子高齢化のさらなる進展を見据え、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの考えのもと、JR羽犬塚駅を中心とする区域に病院や商業施設、公共施設など、日常生活に必要な都市機能の緩やかな誘導を図ると共に、市内の各地域と中心拠点とを結ぶ公共交通網の構築を目指しています。
公共交通を取り巻く課題を解決し、自家用車に頼らなくても安心して生活できる環境を構築するため、市では、令和6年10月から、JR羽犬塚駅周辺の中心拠点や生活利便施設を循環するバスの実証運行を予定しています。
問合せ:都市対策課
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