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みんなで人権(じんけん)を考える「つなぐ」TUNAGU II

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福岡県筑紫野市

■「TUNAGU II」とは
人と人、心と心をつなぐ、世界とつなぐ―人権尊重のまちづくりの一環として、さまざまな人権問題について市民の皆さんと共に考えます。

■いのちは両性(りょうせい)で産(う)み育(そだ)てる!
そのだ ひさこ
ジェンダーギャップ指数という言葉を昨今、たびたび耳にするようになった。
ジェンダーギャップ指数とは男女の違いにより生じる格差のことをいう。その男女格差を測る指数は、経済、教育、健康、政治の4分野のデータから作成される。日本の指数は、令和3年は156か国中120位、令和4年は146か国中116位だった。
上位国は1位から順に、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、ニュージーランド、スウェーデンなど。ドイツ10位、フランス15位、イギリス22位、アメリカ27位。アジアの国ではタイ79位、ベトナム83位、韓国99位、中国102位と続き、日本はその後に位置している。
テレビなどで、日々私たちが目や耳にする国名や情報からはある意味、意外な順位と思われるかもしれない。
日本は教育や健康分野に関しては世界でも上位に位置している。けれど、政治や経済分野での女性に関する指数は、21世紀の今も世界で最も下位におかれている。政治、経済分野への女性の参画が非常に低いという現れであるのだろう。
その根底にある原因は何だろうか。数十年、思うことしきりである。部落問題と同じように女性問題も、私の生涯の大切な課題である。そこから、手さぐりすると日本社会の根深い女性差別の問題が浮上する。
制度婚、シングル婚、同せい婚など、どんな生まれ方でも国家が一定の子育てを保障するフランス。
パートと正規労働者の1時間の賃金を同等にし、パートとフルタイムを行き来することを可能にした「ワッセナー合意」によって、出産や育児がスムーズになり、人口も就労者も増えたオランダ。
それらに比べると、日本では結婚・出産を経た女性が再就職するときの困難さや、パート化率の高さなどから自然に結婚や出産を控えるようになり、命の生まれ難い国になってきている現実がある。
「命は両性で生み育てる」という育メンがやっと少しずつ実現しつつあるが、このような直近の問題以外にも、前回とりあげた「からゆきさん」の問題をはじめ、日本は数百年にわたり政治、経済などあらゆる面で男性中心社会であった。
一方、「産む女」が大事にされ、「売買される女」も制度上認められてきた事実がある。江戸時代、武士社会では後継ぎを産めない女は離縁されることもあった。明治以降、大きな戦争を繰り返した日本では、女は「出産兵士」とされ、産むことを強要されてきたりもした。
現在、両性で「いのち」を生み育てる営みを地域で支えあう社会を作っていくことが国家に求められている。そのようなあたたかい社会こそが私たちが望んでいる社会といえるのではないだろうか。

■我が家の共同参画は?
統一地方選挙が4月にあった。女性議員が若干増えていたことも今回の選挙結果の特色として新聞に掲載されていたが、男性の数に比べるとまだまだ大きなギャップがあることも報道された。
市の男女共同参画に関わるアンケート結果でも、主な役職につく女性の割合が低いという結果が出ている。
女性はもとより、さまざまな立場の人の声を聞き、その声を生かすことは、多様性を認め合える社会を創るうえで必須とも言える。我が家では、お互いの声を尊重し合っているか考えてみると、はなはだ不安である。
まずは、自分自身をふり返っていきたい。

問合せ:教育政策課

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