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自治体の皆さまへ

みんなで人権(じんけん)を考える「つなぐ」TUNAGU II

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福岡県筑紫野市

■「TUNAGU II」とは
人と人、心と心をつなぐ、世界とつなぐ―人権尊重のまちづくりの一環として、さまざまな人権問題について市民の皆さんと共に考えます。

■「いのち」を継(つ)いで~人権研究所50周年に寄せて~
そのだ ひさこ
9月に福岡部落史研究会(現福岡県人権研究所)が50周年を迎えた。50年前の私は福岡市内の「むら」(被差別部落)の解放子ども会のアルバイト講師をさせてもらっていた。私を雇ってくださったのは、全国水平社の元書記局長で、福岡部落史研究会の生みの親でもある井元麟之さんだった。
私にとって、この50年はさまざまな人との出会いがあったアッという間の50年だった。

▽解放運動を頑張って、頑張って、20代で自死してしまった青年T。私の母の脳血栓と、我が子の交通事故での脳挫傷入院が重なった「大ピンチ」のとき、すぐに車で駆けつけてくれた。その後、母も子どもも何とか命を取り留めた。絵本『いのちの花』の「むら」で生まれ、すくすくこころ優しく育ったT、本当にありがとう。

▽「出身でもないのに、よう、そこまで言うなぁ!」と、私とバトルしてくれたK。本気のバトルは、本当はうれしかった。おかげで、あなたの「家族」も「むら」も大好きになった。それから60年間、今も「むら」へ通っている。市全体の解放運動と、自分の「むら」の解放運動を頑張り、過労のため50代で倒れてしまったK。もっと、生きていてほしかった。
TとKは、解放子ども会で出会ったかけがえのない元生徒たちである。

▽「同和教育は自由で楽しい、という先生やら一人も居らんね!」と私が言ったら、「居ろうが、今、ここに、俺が居ろうが!」と真剣に怒ってくれた同僚のM。けれど、私より早く逝ってしまった。淋しさを抱えながら、私もあなたのようになりたくて、いまを生きている。

▽「脱ぐようにこそ ほんとうに着たい 鉛をきせられる今解放とは何か」という部落解放西日本夏期講座のポスターを作成したとき、詩の前半は私が作り、後半を作成した出身教師Y。「自己解放は、頑張るほど鉛のように自分が重くなるのでなく、軽やかに豊かに自分が解放され実っていく。」Yは、私の詩からそんな願いを一瞬で読み取って、自分の言葉を継いだ。ブルーの背景に血のにじむ階段を登ろうとしている少女のポスターは、Yが数十年背負って生きた、「「部落」という重荷」を表していた。その素敵なポスターは今では形見になってしまった。

私の生きている残りの時間を思う。この50年、語りあい、激論しあい、まみれ合い、励まし合い、出会ったかけがえのない人々。忘れえない命、とりもどしたい命がある。そして、ずっと、一緒に「いのち」を受け継いで、生きたい命がある。

■教育の参考本として
市でも、人権・同和教育を切り拓いてきた人がいます。元教育委員長の近本明さんです。近本先生は、教員時代から一貫して子どもの良さを見抜き、子どもや保護者に自信を芽生えさせる教育の実践をしてきました。また、自他の命を大切にすることを訴えてきました。
その実例を載せた「聞き取り・講演集『ありがとう』」が発刊されました。その中の一節を紹介します。「いじめは命にかかわる問題である。これを解決するためには、解決にかかわる人たちも、命がけでやらねばというぐらいの気持ちでなければ解決できません。
命にかかわるから命がけなんです。」

問合せ:ありがとう制作実行委員会
【電話】926-8734

この記事に関する問合せ:教育政策課

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